Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年06月25日(水) グッドウィル だけでない派遣の問題点



「 人生が与えてくれる最高の宝物は、なんといっても、する価値のある

  仕事に打ち込めること 」

          セオドア・ルーズベルト ( アメリカ合衆国第26代大統領 )

Far and away the best prize life offers is the chance to work hard at work worth doing.

                              Theodore Roosevelt



なぜ、職業選択の自由があるのに、“ する価値のない仕事 ” を選ぶのか。

仕事が嫌、面白くない、やりがいが無いという心理は、理解し難いものだ。


たとえば、家業を継ぐ責任があるために、希望する職種に就けなかったのならまだしも、自分が選んだ企業に入り、「 仕事が嫌 」 と愚痴る人がいる。

こういうタイプの人は、他人の境遇を妬んだり、羨ましがったりするけれど、何の職業に就いたところで、結局、人並み以上の活躍はできない。

ビジネスマンの資質や、将来性を判断する場合、業績の良し悪しよりも、「 仕事が楽しいか、否か 」 という尺度が、重要な評価材料となる。

もちろん、ときには少し嫌になったり、投げ出したくなることもあるだろうが、それを乗り越え何度でも挑戦する姿勢があるのか、その違いは大きい。

自分の仕事を 「 生活の糧を得るための手段 」 としか考えられない人は、いくら頭が良くても、何かの才能があっても、ビジネスマンとしては失格だ。


グッドウィル・グループ ( 堀井 愼一 社長 ) は、子会社で日雇い派遣事業最大手の グッドウィル を、7月末で廃業する決議を発表した。

二重派遣問題で、厚生労働省が同社の派遣事業の許可を取り消す見通しとなったことなどから、「 事業の継続は困難 」 と判断したらしい。

派遣する約7000人の労働者は、顧客企業での雇用継続や、同業他社の受け入れを呼びかけ、内勤従業員約4100人は、事実上、解雇される。

同グループは、介護事業でも不祥事の発覚から撤退を余儀なくされたが、200億円超で売却予定だった老人ホームの交渉は進んでいない。

それに加え、100億円規模での売却を予定していた グッドウィル が廃業に追い込まれたことで、グループ全体の経営再建も暗礁に乗り上げそうだ。


小泉 内閣 の 「 負の遺産 」 として、高齢者問題などを挙げる人は多いが、私自身は、無軌道な 「 労働者派遣法の規制緩和 」 に疑問を感じていた。

労働者派遣法を緩和したことで、正社員の雇用が減り、悪質な業者による違法行為が放置される結果になることは、最初からわかっていた話だ。

人件費を節減することで、企業は一時的に利益を得られるけれど、国中に ワーキング・プア が増えると、当然、総体的な購買力は低下してゆく。

つまり、すべての企業が 「 輸出で儲けている 」 わけではないから、労働者の所得水準が下がると、購買力が減って内需が落ち、景気は低迷する。

言葉は悪いが、企業と労働者を仲介する派遣業者の “ ピンはね ” を促進するだけの悪法に、当時は、なぜか異を唱える人が少なかったのだ。


正社員が偉いとか、派遣社員は劣るとか、雇用形態の違いだけで個人の資質を比較することはできないし、そうすることが正しいとは思わない。

事実、何の情熱も無く 「 月給泥棒 」 と化している正社員もいれば、企業や、社会の役に立つ仕事を、活き活きと立派にこなす派遣社員もいる。

ただ、多くの人が “ する価値のある仕事 ” と感じる業務は、確率的にみて正社員のほうが機会を与えられる傾向にあり、選択の幅も広い。

雇用する側も、正社員の場合は 「 個人 」 に目を向け、人材を育てるという意識が強く、派遣社員の場合は 「 一時的な労働力 」 としか評価しない。

長期的な国家の利益を鑑みると、無軌道に派遣制度を浸透させることは 「 マイナス面 」 が大きく、派遣制度の在り方を見直すべきだと思う。






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