Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2008年06月28日(土) コンビニ 深夜営業自粛 は 「 環境に効果なし 」



「 不統一こそ、問題の根源である。

  現代の入り組んだ工業社会においては、他社の抱える問題の重荷を

  共有せずして、どんな企業も成功できない 」

              エイン・ランド ( ロシア系アメリカ人作家、哲学者 )

Disunity, that's the trouble. It's my absolute opinion that in our complex industrial society, no business enterprise can succeed without sharing the burden of the problems of other enterprises.

                                     Ayn Rand



自分の都合や、少ない情報だけを根拠に、物事を決め付ける人がいる。

昔から、そういった 「 視野の狭さ 」 が、誤った結論を導き出すことも多い。


コンビニ業界が、一部の自治体による 「 深夜営業自粛 」 を求める動きに対して、「 自粛してもCO2の排出削減効果は少ない 」 と反発している。

現在、コンビニで24時間営業しない店舗は全体の 約 5% にしか過ぎず、深夜営業をやめれば 15〜20% の売り上げ減につながる見込みだ。

日本のCO2総排出量のうち、コンビニ全体の占める割合は 0.2% だが、なぜ、さほど比率が高いとも思えないコンビニだけが、標的にされるのか。

深夜営業をしなくても、商品の劣化を防ぐために冷蔵設備などは稼動しているのだから、夜間のCO2排出量が 「 0 」 になるわけではない。

また、たとえば外食店など、24時間営業の店舗は他業種にもみられるが、コンビニだけを槍玉に挙げるのは、業界が不公平感を持って当然だ。


環境保護を名目に、コンビニの深夜営業自粛を求める自治体、一般人の意見には、いづれも 「 コンビニの深夜利用客 」 への偏見が感じ取れる。

朝から夕方まで働く人々には、「 コンビニの深夜利用 = 夜遊び需要 」 と捉えがちな人も多いが、実際には、早朝、深夜にせっせと働く人もいる。

彼らから見れば、むしろ 「 昼間は他の店舗も開いているのだから、深夜にこそ、コンビニの利用頻度が高い 」 わけで、深夜営業への期待は高い。

真夜中でもコンビニが開いているおかげで、夜間の長時間労働において、空腹をしのげるという人々の数は、けして少なくないだろう。

近頃では、トイレを貸してくれる店舗も多いので、タクシーの運転手さんや、道路工事の作業をする人、それを警備する人など、様々な利用者がいる。


もう一つの偏見は、コンビニが深夜営業しているため、ガラの悪い若者が集まったり、あるいは 「 コンビニ強盗 」 が発生するといった危惧だ。

わからないでもないが、国民生活が 「 夜型 」 になったのも、治安が悪化して物騒な世の中になったのも、コンビニの深夜営業が原因とは考え難い。

つまり、コンビニが深夜営業を自粛したとしても、無軌道な連中が大人しく家にいるとは思えず、それで治安が良くなる見込みはない。

逆に、女性が夜道を一人で歩いているとき、不審者に追われた場合など、深夜営業のコンビニがあれば、逃げ込んだり、助けを求めることもできる。

防犯上の観点からみると、人気が無く真っ暗な状態よりも、深夜でも灯りが点り、営業しているほうが、おそらくは安全だろう。


もちろん、地球温暖化への取り組みは必要なのだが、いまのところ、政府も自治体も、企業も個人も、「 実効性 より パフォーマンス 」 が目立つ。

先日も、百貨店で エコバッグ を買って、丁寧に包装してもらっている女性を見かけたが、意気込みだけが空回りして、具体的な目標意識が低い。

コンビニの深夜営業を中止すると、昼間の配送が渋滞を引き起こすことになって、逆に、今までよりCO2が増える可能性もある。

目立つ象徴を掲げて、取り組みをアピールしたい気持ちや、とりあえずは 「 手を付けやすいところから 」 という心情も察するが、その効果は乏しい。

まるで 「 イジメ 」 のように、コンビニ業界だけを目の敵にして、彼らの被る経済的損失を上回る効果はあるのか、各自治体は検証すべきだろう。






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