2008年07月07日(月) |
北海道洞爺湖サミット : アフリカへの支援に関する疑問 |
「 宇宙船地球号に関する最も重大な事実とは −
取り扱い説明書が付いていなかったこと 」
バックミンスター・フラー ( アメリカの建築家 )
The most important fact about Spaceship Earth : An instruction book didn't come with it.
Buckminster Fuller
冷静に考えれば 「 実現不可能 」 なことを、努力目標に掲げる人がいる。
大部分は、志の崇高さに自己陶酔し、現実を見失った人たちである。
たとえば、「 “ 個性 ” と “ 平等 ” の両立 」 を唱える人などが、その典型的な例で、一見、立派な志に見えるが、実は、支離滅裂で矛盾している。
なぜならば、“ 個性 ” とは 「 他人と違っていること 」 を指し、“ 平等 ” とは 「 他人と同じであること 」 を指す言葉で、両者は相反する関係にある。
人と違うことを認めながら、その一方で、人と同じでなければならないという意見は、ちょっと冷静に考えれば、あり得ないことだと気付くはずだ。
ところが、この 「 個性と平等の両立 」 という思想は、なぜかしら世界中に信奉者がいて、むしろ、多数派意見として扱われることも多い。
主張の根底にある矛盾から目を背け、「 自分たちの意見は正しいのだ 」 と妄信的に思い込んでいるので、なかなか、論理の綻びに気付かれ難い。
主要8カ国 ( G8 ) に、中国、インド、アフリカ諸国などを加え、過去最多となる22カ国の首脳が参加する 「 北海道洞爺湖サミット 」 が開幕した。
ドイツの新聞などは、「 参加国もテーマも多過ぎる 」 と批判しているようだが、地球環境から、経済問題、地域格差など、たしかに過積載だ。
中身が濃いようで、終わってみたら 「 すべてが中途半端だ 」 なんて結果にならなければ良いが、議長が 福田 首相 だけに、少し心配ではある。
世界から貧困や病気を無くそうというスローガンの下、特に、アフリカ諸国への支援を推進しようとする活動も、今回のサミットの特色になっている。
アフリカの人々が、平和で明るく暮らすために力を貸すことは、悪い発想ではないけれど、無意識的に 「 個性と平等の両立論 」 が潜む気もする。
アフリカでは、5歳までに亡くなる子供が16%もいて、その主たる原因は、母体の栄養不足、医師、助産婦の不足、マラリア、エイズなどの病気だ。
多くの土地に水道が無く、子供たちは水汲みや畑仕事の役割を担っているため学校に行けず、恵まれた日本の子供たちに比べると実に過酷である。
こういった問題の元凶は、彼らの抱える 「 貧困 」 に起因しており、先進国の暮らしとの間に 「 不平等感 」 を感じるのも、無理のない話だろう。
しかしながら、では、彼らが貧困生活から脱出するために、日本人と同様の勤勉さをもって働くかというと、そうではない。
野生動物が闊歩する豊かな大自然を犠牲にし、便利な生活を営むために、高層ビルや、都市交通などのインフラを整備することも、彼らは望まない。
つまり、あくせく働かず、のんびりと貧困生活に耐えることは、不幸と言えなくもないが、彼らの望んだ 「 個性 」 でもある。
先進国と 「 平等 」 ではないけれど、アフリカ人ばかりが苦痛を強いられ、先進国に生まれたからといって、苦労がないとは言い難い。
ちなみに、Durex という避妊具メーカーが行った調査によると、日本人の 「 セックス をする回数 」 は、調査国中で最下位である ( 1位はギリシャ )。
アラブ、アフリカは調査の対象外だったが、子沢山の国はアラブ、アフリカに集中しており、1位は西アフリカのニジェールで、平均 7.91人だ。
水が無い、ワクチンが無い、貧困だと言うが、仕事もせずに ○○○ ばかりして、全家庭に子供が8人もいたら、たちまち日本だって貧困国になる。
アフリカに 「 支援するな 」 とか 「 支援しても無駄 」 と言いたいのではなく、「 一時的な支援じゃなく、豊かに暮らす計画性 」 も教えるべきだと思う。
彼らの貧困性は、無軌道に暮らす 「 個性 」 に依るところも大きいわけで、アラブのように石油が沸いて出ることもないから、必然の結果でもある。
豊かな自然や、民族的な個性を奪って、近代化や勤労を強制することにも反対するなら、先進諸国と暮らしに差があり、「 平等 」 でないのも当然だ。
彼らより豊かとされる日本人が、将来を案じて 「 少子化 」 に陥っているというのに、人口爆発を防がず、支援だけするというのは、どうかと思う。
アフリカの悲惨な実情を伝える人は多いけれど、「 そんなに貧乏だったら、○○○ ばかりせずに、少しは働け 」 と諭すことも、先進国の役目だろう。
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