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2008年07月13日(日) 常用漢字改訂 「 俺 」 でモメる



「 間延びした教育が社会の進歩のために不可欠なことは認めるが、

  人間の本性には合わない 」

                  ウィンストン・チャーチル ( イギリスの首相 )

Certainly the prolonged education indispensable to the progress of Society is not natural to mankind.

                                Winston Churchill



あらゆる動物にとって “ 進化 ” とは、生きるための知恵を学ぶことだ。

だから、日常生活から目を逸らすような学問は、真の教育といえない。


文化審議会漢字小委員会での 「 常用漢字表改定作業 」 が、来年2月の最終案作成に向け、大詰めに入っている。

人々が日常的に使っている漢字の中には、何らかの理由で常用漢字から外されているものがあり、「 俺 」 という漢字も、その一つに該当する。

常用漢字に 「 俺 」 を含むことへの反対意見としては、「 言葉として汚い 」 など、上品か下品かという評価によるところが大きいらしい。

その他、「 子どもに教えるべきものか 」 などの意見もあって、幅広く浸透しているにも関わらず、その結論は先送りされているという。

子供に教えるべきでないなら、たとえば差別用語のように使用を制限するとか、何らかの措置があってもよいと思うが、そういった動きはないようだ。


私としては、自分自身のことを表現するときに、公的な場面では 「 私 」 を用い、友達同士などの私的な会話では 「 俺 」 を使っている。

それ以外に使うとすれば 「 自分 」 で、おそらく、もっとも使わない表現は 「 僕 」 じゃないかと思う。

若い頃ならまだしも、中年のオッサンが 「 僕 」 なんて口にするのは気持ち悪いし、それなら 「 俺 」 とか 「 ワシ 」 のほうが、まだマシだろう。

たまに、ビジネス文書などでは 「 小生 」 や 「 小職 」 などといった謙譲語を使う人も見かけるが、あまり良い気がしないので、私自身は使わない。

もし、どうしても 「 俺 」 の使用を禁ずるなら、仕方がないので 「 拙者 」 を使うしかないかなと、思ったりもする。


もちろん、常用漢字に含まれないからといって、その使用を禁止されるわけではないが、日頃から使用頻度の高い漢字が外されるのは不愉快だ。

自分も含め、広く大勢の人が愛着をもって使っている言葉が 「 市民権 」 を奪われているようで、なんとなく釈然としないのである。

反対意見もあるだろうが、実際に “ 常用 ” されているのだから、常用語に加えるのは当然の話で、そこから目を逸らすのは間違いだろう。

表現が汚いだとか、品が無いという理由で、「 現実に存在するのに、それを認めず、無かったことにする姿勢 」 は、昨今の学校教育を象徴している。

幼い子供に 「 俺 」 を濫用させたくないのであれば、無視するのではなく、その存在を認めたうえで、適切な使用を教えるのが本来の教育だろう。






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