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2008年07月15日(火) 竹島問題で譲歩しても、日韓関係は進展しない



「 信念は、行動に移さなければ価値がない 」

           トーマス・カーライル ( スコットランドの歴史家、思想家 )

Conviction is worthless unless it is converted into conduct.

                                 Thomas Carlyle



儒教 は、中国の偉大な思想家 「 孔子 」 の教えに基づいている。

特に、朝鮮半島で広まり、日本の儒学者も、朝鮮の儒学者から学んだ。


儒教 の基本は 「 両親や先祖を敬うこと 」 だが、日本の儒学者の大半は、「 親が間違えた場合、それに従う必要はない 」 と、注釈を加えた。

一方、朝鮮半島の儒学者たちは、こうした解釈を認めず、いかなる場合であっても、親を敬い、親に従うことが最も重要だと教え続けてきた。

現在でも、朝鮮半島では 儒教 を 「 生活と国家統治の基本 」 にしており、韓国、北朝鮮ほどに 儒教 の価値観を徹底した国は、他に存在しない。

たとえば韓国人が、年上の人の前で酒を飲むときは、グラスを左手で隠しながら、後ろを向き、背中を見せて飲むのが礼儀とされている。

最近では、親子で酒を飲む習慣も認められてきたらしいが、基本的には、息子が親の前で、酒を飲んだり、タバコを吸うことは許されない。


儒教 の価値観を利用したのが、北朝鮮の 「 主体 ( チュチェ ) 思想 」 で、国家の指導者を擬似的な 「 父親 」 に見立て、絶対的な服従を要求した。

指導者を呼ぶときに 「 お父様である首領様 」 と、「 お父様 」 を形容詞的に付けさせることで、儒教 を妄信する国民へ、服従を強いてきたのだ。

絶望的な飢餓や貧困状態にあっても、北朝鮮の国民が反乱を起こさずに、目立った混乱を避けてこれた原因は、儒教 の伝統によるところが大きい。

いまだに韓国が 「 第二次大戦における日本の戦争責任 」 を問う理由も、尊い先祖の犠牲を、簡単には水に流せないという 儒教 の教えが強い。

日本の戦争責任については、中国も問題にすることが多いけれど、朝鮮の人たちとは違って、こちらは 「 外交のカード 」 として利用するのが目的だ。


このところ、「 竹島 の領有権問題 」 に触れた中学校の新学習指導要領の解説書をめぐり、日韓関係への影響が広がっている。

日本側としては、北方領土と同様に 「 わが国、固有の領土 」 と明記したいところを、反撥を予想し、柔らかい表現にしたつもりが、効果は無かった。

韓国側は、この問題を日本の教科書に 「 記載しただけでも不快 」 らしく、駐日大使を一時帰国させるなど、抗議の意思を表明している。

これを機に、「 日韓関係が悪くなる 」、「 その関係修復に時間が掛かる 」 などの懸念が浮上し、日本政府も対応に困っているらしい。

特に 「 対北朝鮮政策での日韓連携 」 で、支障があるのではないかという点を警戒する声も強く、拉致解決が遅れる可能性を危惧する人もいる。


現実的には、いくら韓国政府に譲歩し、その要求を呑んだところで、儒教 を重んじる韓国が、日本と 「 対北朝鮮政策で連携 」 できる可能性は低い。

彼らが 「 先祖の繋がっている北朝鮮 」 より、日本と仲良くすることは、儒教 の価値観からみれば不自然であって、なかなか難しいものだ。

ここは、韓国の国民感情に配慮するよりも、明確な態度で日本側の主張 ( 竹島 は日本の領土 ) を示すほうが、今後の交渉に プラス である。

また、日本政府は、単に主張を繰り返すだけでなく、武力衝突は望まないにしても、竹島 へ自衛艦を派遣するなどし、「 本気度 」 を示すべきだ。

不法に占拠しても反撃行動を起こさず、気を遣いながら領有権を主張するような曖昧さは、韓国側にとっても疑問の多いところだろう。






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