2008年07月22日(火) |
五輪直前の中国へ GO! |
「 歴史とは、あるいは避けられたかもしれない事柄の集積である 」
コンラート・アデナウアー ( ドイツの政治家 )
History is the sum total of the things that could have been avoided.
Konrad Adenauer
明日から、久々の中国出張を予定している。
この日記も、1週間ほど休むことになるだろう。
21日、中国雲南省の昆明市中心部で、時限爆弾を仕掛けられた路線バス2台が相次いで爆発し、2人が死亡、14人が負傷した。
同省公安庁は 「 人為的な破壊事件 」 と断定したが、政治や社会に不満をもつ組織による 「 市民の大量殺傷 」 を狙ったテロ事件の可能性もある。
地元の一般市民は、五輪開催が近づくにつれ、各地で住民と地元政府が衝突する事件が多発していることから、新たな悲劇の発生を恐れている。。
日本オリンピック委員会は 「 中国全土でさまざまな事件が起きている 」 と注意喚起した上で、「 新たな危機対応を追加することはない 」 としている。
北京五輪までは、あとわずかだが、いわゆる 「 過激派 」 によるテロ行為が続く可能性も高く、中国政府としては頭の痛い問題になりそうだ。
今年の 「 芥川賞 」 は、中国人作家の 楊 逸 氏 による 『 時が滲む朝 』 が受賞し、例年以上の売れ行きを記録しているという。
まだ読んでいないが、天安門事件のことについて書かれているらしく、そのせいか、中国のメディアは、この “ オメデタイ話題 ” に触れていない。
現在、各地でチベット関連のデモに参加している人の中には、天安門事件でアメリカに逃亡した 「 当時の中国人学生 」 が多く含まれている。
事件に参加した学生や、市民の視点から描かれた本作品を、中国政府が好ましく思わないのは、実情からみて仕方のないところだろう。
誰もが将来の中国について、民主化の波が押し寄せることを予想しているが、急激な変革は 「 社会の混乱 」 を招く恐れがあり、慎重になっている。
少数民族に対する弾圧など、人権問題について追求されると中国は弱く、彼らの 「 ウィークポイント 」 になっていることは明らかだ。
一説によると、中国が北朝鮮を擁護し、崩壊させない理由は 「 すぐ近くに、自分たち以上の “ 人権侵害国家 ” を置いていたい 」 ことにあるという。
つまり、自分たちよりも 「 人権問題に対して劣悪な国 」 が近くにあれば、国際社会の視線を逸らすことができるという考えである。
もし、現状の北朝鮮体制が崩壊してしまうと、一気に非難が中国へ集中し、政府首脳にとっては 「 困った問題 」 を抱えることになりかねない。
そんなわけで、とりあえず中国としては 「 評判の悪い隣国 」 を維持させておきたい思惑があり、それも 「 六カ国協議が進展しない理由 」 の一つだ。
|