2008年08月09日(土) |
オリンピック に水を差す 「 不健全 」 な連中 |
「 人生の最も健全で、確実で、豊かな喜びの一つは、
他人の幸運に対して幸せを感じることから生まれる 」
アーチボルド・ラトリッジ ( アメリカの詩人、英語教師 )
One of the sanest, surest, and most generous joys of life comes from being happy over the good fortune of others.
Archibald Rutledge
生涯で一度だけ、オリンピックの開会式を会場で観たことがある。
それは、1996年に開催された 『 アトランタ・オリンピック 』 だ。
当時、勤めていた企業の本社がアメリカにあり、大会のスポンサーをしていたので、日本の大手顧客を招いてアテンドする役目を仰せつかった。
アメリカらしい派手な演出と、聖火台への点火者が 「 モハメド・アリ 」 というサプライズに歓喜したが、長時間だったので疲れた記憶がある。
今回の 『 北京・オリンピック 開会式 』 をテレビで眺めたが、世界的に有名な映画監督の チャン・イーモウ による、実に絢爛豪華な演出だった。
戒厳令を発布して、会場周辺の都市機能を停止させるという、社会主義国ならではの大技もあったが、12万発の花火は壮観の一語に尽きる。
国の威信をかけた史上最大規模の開会式は、好天にも恵まれ、中国では視聴率90%以上を挙げる 「 世紀のイベント 」 として、華々しく成功した。
開催に至るまでは、少数民族への弾圧をはじめとする人権問題、言論抑圧など、中国政府に対する国際社会の不信感が強い時期もあった。
されど、大会が始まり、嘘か本当かは別としても 「 世界の平和と協調 」 を掲げた開会式が行われた以上、それを支持するのが各国の務めだろう。
ところが同日、グルジア、ロシア両軍は南オセチア自治州の制圧を巡って激しい攻防戦を繰り広げ、州都だけで民間人約2000人が死亡している。
翌日には、北京市内の観光名所 「 鼓楼 」 で、凶器を持った中国人の男に米国人旅行者らが襲撃され、米国人男性一名が死亡する事件も起きた。
日本にも、この手の 「 頭のオカシイ輩 」 はいるし、人口比からみて中国には数倍いても不思議ではないが、なんともタイミングの悪い話である。
中国政府が今大会にかける情熱は半端でなく、そのために一部の国民は多大な負担を強いられたが、それでも彼らは、大会の成功を望んでいる。
いま、多くの日本人が忘れかけた 「 愛国心 」 や、国に対する誇り、忠誠と信頼が、五輪を語る個々の中国人に滲み出ており、とても微笑ましい。
他人が成功したり、幸福の絶頂にあるとき、それを妬んだり、水を差したりするのは、実に心が狭く、人間として 「 醜い 」 ものである。
ブログの世界でも、「 オリンピック に浮かれている場合じゃないよ 」 などと冷めた調子で批判めいた文章を書いたり、周囲をしらけさせる輩がいる。
スポーツに関心が薄いからといって 「 駄目な奴 」 とは思わないけれども、健全な精神を持たない者は、五輪に関し、口をつぐんでいて欲しいと思う。
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