2008年08月28日(木) |
「 集団転職 」 を試みる人々 |
「 この世で一番大事なことは、自分が “ どこ ” にいるかということでは
なく、“ どの方角に ” 向かっているか、ということである 」
オリバー・ウェンデル・ホームズ ( アメリカの医師、作家、詩人 )
The great thing in this world is not so much where we stand as in what direction we are moving.
Oliver Wendell Holmes
世の中には、自分の仕事が 「 つまらない 」 と愚痴る人がいる。
ある意味、それは “ 不可解な発言 ” に思える。
なぜなら、その大半は 「 彼ら自身が選択した職業 」 なわけで、自らの意思に反し、誰かに強制されて就いた仕事ではないからだ。
どんな仕事か予測できなかったなら、本人の判断ミスだし、就任する前から 「 つまらない 」 ことを予見していたのであれば、愚痴を吐く根拠も無い。
もう一つ考えられるのは、「 面白いはずの仕事だが、自分の能力不足や、努力不足で、それを面白いと感じられない 」 というタイプだろう。
いづれにせよ、居酒屋やら、あるいは個人のブログなどで、自分の仕事が面白くないと吐露するのは、恥を晒すだけの行為で、実にみっともない。
誰のせいでもなく、すべては 「 ご自分のせい 」 なのだという自覚をもって、現在の仕事に取り組むか、情熱を燃やせる仕事に転職すべきだろう。
民主党から 渡辺 秀央、大江 康弘、姫井 由美子、無所属から 荒井 広幸、松下 新平 の各参院議員が、「 新党 」 の結成を総務省に届け出た。
党名は 『 改革クラブ 』 だが、はたして本気で政治を改革する意志があるのか、何か別の企みがあるのか、いまのところ明らかではない。
ただ、特に民主党の三名は、おそらく無競争で再任される 小沢 一郎 代表 が気に入らないから、袂を分かつことにしたのだろう。
賛否両論あるようだが、現在の “ 職場 ” が面白くないから、他所に活躍の場を求めるという姿勢は、大いに結構なことだと思う。
民主党 幹事長 の 鳩山 由紀夫 は、「 離党するなら議員辞職するのが筋 」 と話すが、彼自身も、自民党、新党さきがけ を離党した過去を持っている。
気に入らない職場で、面白さの感じられない仕事をしている御仁が、組織に貢献したり、顧客に満足を与え続けたりすることは、まず考えられない。
辞めてしまうなら話は別だが、仕事を続ける意志があるなら、一日も早く、「 情熱を感じられる環境 」 に活躍の場を移すことが望ましい。
政治家も同じことで、個々の能力を発揮できない不満を抱えながら、黙って追随するだけの 「 役立たず 」 よりは、造反分子のほうが期待できる。
あるいは、この先、新党は “ 議席の頭数 ” として、政権支配を目指す二大政党を天秤にかけ、有利な条件で併合する機会を窺う可能性もある。
それを “ 姑息 ” に感じる人もいるだろうが、派閥のしがらみで 「 言いたいことも言えない立場 」 に甘んじるよりは、よほど健全ではないだろうか。
民間企業に勤める人たちも、彼らの真似をして、現在の境遇に不満を持つ複数人で起業し、とりあえず小さな集団を形成してみる方法がある。
そのまま事業を続けてもよいし、小集団をまとめて、有利な条件で大企業の傘下に 「 身売り 」 するのも面白い。
自分たちの実力に自信はあるものの、望み通りの転職が果たせない人々にとって、それは新しい 「 転職スタイル 」 になる可能性がある。
特に、若手の技術職や、優秀な開発者たちが、そのような 「 集団転職 」 を試みることは、産業界にとっても、よい刺激になるのではないだろうか。
現実的には、優秀な人材ほど 「 仕事が面白くない 」 と感じていないので、実現の可能性は低いけれど、野心の強い数名は、挑戦するかもしれない。
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