○プラシーヴォ○
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2001年04月21日(土) バリ島ラブ

最終日。

キンタマーニという魅惑的な名前の観光地へ行く。
山の上の方で、景色が綺麗なんだそうだ。

今までずっとガイドしてくれてたスパ君が
息子が急病だとかで今日はお休み。

変わりに、スパ君の友達のスラ君が来てくれた。
スパはすっごい真面目で、
ずっと敬語で私達のことも苗字で呼んでたのに
スラは会うなり
「おおー、がちゃちゃん、youちゃん!
今から僕の親に会いに行こうよ!
結婚したらずっとバリにいれるよ〜!帰さないよ〜!」
か・・・軽いわ。スラ。

車に乗っていると景色がどんどん田舎になる。
日本のように水田がいっぱい。そばにはヤシの木が生えてるけどね。
心が落ち着く。

すごいシンプル。
寝て、起きて、田んぼを耕したり果物を売ったり
そして夜は暗くなったら寝る。

リストラとか社内のイジメとか
なにそれ〜って感じ。
生きてるぞー、ただそれだけでいいんだぞーって
風にのってそういう声が聞こえてくる。

初めての海外なのに
ただいま〜って言いたくなる風景。

キンタマーニは、バリで初めて「涼しい」と感じた場所。
湖が見下ろせて、肺の奥から綺麗になるような空気。
しあわせだよ〜!

いよいよバリともお別れ。
ピンクのようなオレンジのような夕焼け空を見てると
頭がしびれてきた。

ずっと心のどこかで
「楽しいけれど日本に早く帰りたい」
って思ってたのに、それが今溶けてなくなっちゃった。

ここでいいよ。
私、バリにいていい。

スラが
「さよならじゃないよ。ちょっと日本に行くだけでしょ?
さみしいよ。僕は日本に行けないから。待ってるよ」

皆に言っている言葉なんだろうけど、もうたまらなく心に染みて
バリで最後にして初めて泣いた。

飛行機に乗って飛び立つ瞬間、
バリの湿った大地から私の体がひきはがされるようだった。
痛い。痛いよ。私の皮膚を置いていっちゃうよ。

衝撃に目をさますと、そこは乾いた関空だった。


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