○プラシーヴォ○
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| 2003年03月03日(月) |
誕生日のオオゴト 前 |
3月2日
仕事が終わった後 ハム男の家へ向かう電車に飛び乗っていた
仕事中に 制服のままで スポーツ店をかけずりまわって見つけた ハム男に似合いそうな 黒くてメッシュがたくさん使われた 涼しそうなジャージ
それを握り締めて
結局、 今日一日ハム男から連絡は無くて 昨日私が送った失礼千万なメールに 怒っているのか 呆れているのか
プレゼントを部屋の中において そのまま帰ってくるつもりだった
もし、友達と部屋でパーティーしてたら? 外に御飯を食べに行ってたら? お風呂に入ってたら? 仕事してたら??
ハム男の顔を見たいような 見たくないような
一刻も早く着きたくて タクシーに乗り継いだ
「ほんとにここでいいの? 足元気をつけてね おやすみなさい」
周りに何もない道路の真ん中で降りる私を 心配そうに見送ってくれた運転手さん
ハム男の家の前に着くと のぞき穴がオレンジ色に光っていた
台所の電気がついているんだ 中にハム男がいるんだ
開ける?
開けない?
スポーツ店の紙袋 持ち手がぐちょぐちょになるまで握りしめる
そうっとドアノブに袋をひっかけて 足早に立ち去る
脇道に入って
『外を見てみて お誕生日おめでとう』
メールを送る
1分
2分
5分経過
ハム男の家は1階で ドアはもろに道路に面している
盗まれたらどうすんのよ!!
迷った末 電話をかける
「…はい」
恐ろしいほど 低い声
電話したことを少し後悔しつつ 明るく声を出す
「ハム男?メール見た??」
「…見たよ、がちゃ子どこにいるの」
「もう帰りの電車の中」
嘘 本当は 50メートル離れたところだよ
「な…なんじゃそりゃ どういうこと?何してるの? どうして中に入ってこないの
…何をしてるの」
悲しそうな声 ああよかった 怒ってなかったんだ
「ハム男の友達がいたら 悪いかなあと思って」
「いないよ誰も …ほんまにもう電車の中?」
「うん」
「そっか… 俺、今からお風呂屋さん行ってくるわ…」
「…うん…」
どんどん沈黙が増えてくる いつもお互いあっさり電話を切るタイプなのに 言わなくちゃいけないことが 口からなかなか出てこなくて 電話を切りにくくて 困ってしまう
「気をつけて、帰れよ」
電話をやっと切って 2.3歩進んでから
ハム男に電話をかけなおした
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