楓蔦黄屋
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あー。 ずっと好きだったweb日記が趣旨を変えてしまったー。
web日記って言い方も今時どうかと思うけども。
昔から、楽しいこと、嬉しいこと、面白おかしいことだけを描いたものが好きで、 それは主にギャグ漫画のことなんだけども、 だからギャグ漫画かいてた人が急に泥臭いのかきはじめると勘弁してくれよと思うタイプ。
それは漫画よまなくたって知ってるからいいよ。
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セラピーとはいえ人に子どもの頃の傷をほじくり返して喋らせるのは危険なんだそうだ。 とある社会福祉法人にて購入したメンタルクリニック的な冊子にそう書いてあった。 へー、と思った。
大人になるにつれ、そういう出来事も自分を構築する部品になっている。 子どもの自分と大人の自分がすっかり癒着して、たとえいびつでもバランスを取り合って トラウマ込みで自分を形作っているのだから そこを解体してしまうと、今の自分ごと壊れてしまう恐れがある、みたいなことらしい。
私は子どもの頃の傷をわざわざ見つめ直したくはないタイプだ。 否応なしにフラッシュバックするときがあるがそれはメンタル強度の問題ではない。 たいていフィジカルが疲れてるだけだと最近気づく。
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そのweb日記はそれはたいそう面白くて文章もうまいもんだから、 急に趣旨を変えられても面白くてうまい。 だから読んじゃう。
でも非常にしんどい。面白いから。 情景がありありと浮かぶ。世代が近いから。
作者さんの心はたぶん淡々としているんだろうと思う。 自分の子どもの頃を見つめ直せる状態なんだろうと思う。 だから別に、読む人を不快にしてやろうと思って書いてるんでもないと思う。
何より、タダで書いてるもんなんだし、そこは自由でいいと思う。
でも私も、もう人生も折り返し地点に到達しようという年齢になって、 わざわざ自分の心をしんどい位置に置きにいくのはもう面倒だ。
なのでフォローをはずした。 はずさないと読んじゃうからさ。面白いから。
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そういえば子どもというもんは 砂をポッケにつめて帰ってきたり、だんご虫をポッケにつめて帰ってきたり するもんだと思ってたがどうも別にそうじゃないらしい。
うちの子どもは虫が嫌いだそうだ。 砂がポッケに入っていたこともない。 だからいい子、といいたいわけでは別にない。
うちの子どもは苺も嫌いだからだ。 果物全般好きではない。唯一好きなのはチョコバナナだ。 だから苺のショートケーキも好きではない。 そんな子どもがこの世に存在するのかと衝撃だった。 私は苺が大好きだ。果物も大好きだ。
私の好きな食べ物は、我が子は大抵そんなに好きではない。 「食べる?」と聞いてもいつも「いい」と言われる。 おかげで、子どもができたにも関わらず好きなものを譲った、という経験がない。
親はいつも、親の分まで子どもに食べ物を譲ってくれて、 私も親になったら自然とそういう気持ちになるのだろうかと思っていたが、 そういうわけでそういう気持ちにいまだなったことがない。 きょうだいがいればまたタイプの違う子どもができたかもしれないんだが あいにくうちの子どもは一人っ子なので確認しようがない。
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うちの子どもだけでなく、どうやらその友達も、とくに虫好きな子はいないと こないだ聞いた。へー。
そうか、じゃあ子どもが虫を家に持ち込んでギャーみたいなことは私は経験できないんだな、と思ったところで そもそも私は虫がそこまで苦手じゃないことに気づく。
別に好きでもないんだが、なんというか、ゾワゾワくるギリギリの一歩手前で我慢できるというか。
私は子どもの頃、ダンゴムシでよく遊んでいた。アリも眺めていた。
カブトムシの幼虫なんかも触れる。毛虫も大丈夫。 カマキリにはあの表情にちょっと意志を感じて怖いがまあつまめる程度には平気。 チョウチョが苦手な人もいると聞いたときには驚いた。蛾も好きじゃないが嫌いでもない。
うちにはよく小さい蜘蛛が出没するが、私はなぜか蜘蛛は家を守ってくれるものだと思っているので 「目立つところに現れたらうっかり掃除機で吸っちゃうかもしれないでしょ。 家具の裏か、玄関にいなさい」と話しかけたりしている。
タランチュラだとちょっとビビるだろうなあ。 でも火を通してカニみたいに赤くなればたぶん食べられる。 (逆にシャコは火を通しても赤くならないのでちょっとウッとなったことがある)
Gだけはちょっと怖い。 が、たとえば黒や茶色の半透明のサプリなんかを 「Gのちっちゃいのにソックリだなー」とか思いながら平気で飲めたりはする。
こないだはちょっと熟れすぎたバナナをトーストの上にまるごと乗せたとき、 「うわーカブトムシの幼虫の超でかいのみたい」と思いながらムシャムシャ食べた。
今まで意識したことなかったんだが、私は少なくとも子どもよりは虫が苦手ではないのかもしれない。 何より今気づいたが、私の本名も虫に由来するものだ。 ひらがな表記なんだが、漢字で書くとバッチリ虫の字が入っている。
楓蔦きなり
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