感想メモ

2002年11月19日(火) ハッピー・バースディ  新井素子

角川書店 2002

STORY:
編集者の夫と幸せな結婚生活を送っていたあきらは、夫の勧めで小説を書き、それが新人賞をとる。幸せの絶頂にあったあきらだったが、いたずら電話やいたずらの手紙によって精神が追い詰められていく。そのうちに最愛の夫が交通事故で亡くなる。あきらはいたずら電話の主を逆恨みし出して・・・。

感想:
 最初の方は非常に面白く読めたのだが、夫が死んだあたりでちょっと路線が違ってきたかなと思い出した。人がちょっとした魔がさして行ったことが、相手の人生を狂わせてしまう。そして、当の本人はそれに気づかない。これは確かに理不尽で復讐に走ろうと思う気持ちもわからなくはないような気がした。

 新井素子はほとんど全部読んでいるけれど、あまり小説をたくさん書く方ではないのでそれが残念と言えば残念。この話、確かに新井素子まんまじゃん・・・という声も良く聞いたけど、設定は微妙に違うし、全然まんまではないとは思うのだけれど、世間の人は自分自身のことを書いていると確かに思うだろうとは思った。

 この間読んだ「チグリスとユーフラテス」のようなSFよりも、こうした普通の作品の方がすんなりと入っていきやすい気がした。新井素子はもともとSF作家だったとは思うけど、普通の作品ももっと書いてほしいと思う。


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