2002年07月31日(水) |
図書カードがむすぶ縁 |
スタジオジブリのアニメ映画『耳をすませば』で、印象的なのは、主人公二人を結びつけるのが、図書カードだってこと。 自分が選ぶ本の図書カードにいつも先にある名前が気になって…。
こういうのってある。 図書室の本は新品じゃないことが多いけど、今までにどんな人が手にしてきたのかなーって考えるのが楽しい。 図書カードに名前がいっぱいだったり、全然まだ誰も借りていない本だったり、返却されてすぐまた貸し出される人気者の本だったり、返却期限をずっと過ぎて返されていたり。 なかなか想像力をかきたてられます。
母校で教師をしていた時の話。 その日は図書室での授業でした。 「先生、おすすめの本ないですか?」 授業後、生徒が聞いてきました。 「そうだねえ。 あ、この本、私が生徒だった時に読んだ本だ」 「あー!!本当だ。借出者のところに先生の名前が書いてある。2−1って、2年の時に読んだんですね」 「おお。本当だ。きたない字だねー」 そこには、高校生だった私の走り書きの名前がありました。 その本を読んだ時の私の気持ち、照り付ける日差し、空気のにおいまでもよみがえってくるようでした。 高校生の私との思いがけぬ再会でした。
でも、だんだん、図書館も機械化されてきて、カード方式はすたれてきました。 バーコードだったり、返却日だけ記録したり。 図書カードにまつわるちょっとした楽しみがなくなってしまうのは、残念な気もします。
|