テレビをつけたら、さんさんと降り注ぐ陽光の下で上半身はだかで行き交う人々が映し出された。 テロップには“2008年に向けて、裸にNO!”
ああ、オゾン層の破壊で紫外線の害が深刻ですもんね。 そんな上半身を無防備にさらして歩き回ったら、危険だわ。 暑くっても、シャツなり何なり着ないと。 裸になるなら、ちゃーんと、日焼け止めを塗ってね。
って、ガッテンしてたら、どうやらそういうことじゃないらしい。 映し出された場所は北京。 2008年にはオリンピックが開催されます。 と、いうわけで、世界中の人々がやってきても、恥ずかしくない国際的に洗練した都市にするための、“裸NO”だそうです。 ある新聞社を中心に一大キャンペーンを催して、裸で闊歩するおじさん方にTシャツを配っていました。
なーんだ。 なんだかもったいない気がしました。 だって、裸のおじさんたちはほんとにのびのびとしていて、そこに昔ながらの北京の人々の生活を感じるんですもの。 既成の西洋風のTシャツを着せてしまうのは、大袈裟だけど、息づく文化の消滅みたいな寂しさを感じました。
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