明日の最低気温はマイナス3度ですって。
秋の夕暮れはつるべおとし、そして、冬へと駆け足で向かっています。
この季節になると私は決まって編み物がしたくなります。 むずむずうずうずしてきます。 ひょいと手芸店に立ち寄っていい毛糸がないか物色したり、雑誌をめくって、この冬の流行を眺めたり、着々と編み物の準備を進めます。
そして、ショールを作ることに決めました。 三角形でぐるっとまくとマフラーのようにつかえる大判の、ちょっとレトロっぽいやつ。 もくもくもくもくとかぎ針を動かしていると、 「あやしふこそものぐるほしけれ」 とでもいうような、えもいわれぬ喜びがわきあがってきて、ついつい手を止めることができず、夜更かししてしまいます。
高校のときの数学の先生が手編みのセーターを着てきていたことがあって、 「先生、そのセーターは奥さんの手編みですか?」 って、からかったら、 「編み物なんて単純なルーティーンワークをやりつづけるなんて、女ってほんとにくだらない!」 なんて、はぐらかされたけど、この、単純な動きをひたすらに心を込めて続けるというところに、写経にも似た癒しがあるんだけどなあ。 わっかんないかなあ。
さて、編み物のいいところは、自分の思い通りのものを作れるところと、なんといっても安いことです。 お店では、マフラーで2000円は下らないし、手袋だって1000円はしちゃうから自分で編むととってもオトク。 でも、セーターとか、大物になってしまうと、毛糸代のほうが買うよりかえって高くなってしまうことが多いので、私が編むのは小物ばっかり。 手編みのセーターって、実はリッチな代物です。 男の人への心のこもったプレゼントの代名詞のような手編みのセーターですが、コストも高いし、時間もかかるし、下手だと嫌がられるし、別れたら処分に困るし、実は贈るにもかなりの英断が必要なんですよ。
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