2005年01月09日(日) |
村上春樹『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』 |
村上春樹は私のよきアメリカ文学ガイドです。 カトリーナに「最高だよ!」と、紹介されて『グレート・ギャッツビー』を読んだものの、いまいちピンとこず。 それでも何かフィッツジェラルドにひっかかるものを感じていた私は、 「そうだ!村上さんに聞いてみよう!」 というノリで『ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』を手にしたのでした。
村上春樹をして「僕の今の歳にフィッツジェラルドは何をしていたんだろう」と思わせるほどの魅力とは一体どこにあるのか。 この一冊には満ち溢れています。
すごく面白かったよ。トリップできました。
前半は、筆者がフィッツジェラルドゆかりの地を巡りながら、彼や彼の周囲の人びとの生涯を振り返ります。 それがとてもドラマチックでセンチメンタル。 そして、後半には2編の短編が村上春樹の訳で収められているのですが、前半で語られた、フィッツジェラルドの才能というものを充分に実感する作品でした。(2編ともフィッツジェラルドの作品では評価は高くないにもかかわらず)
「60歳を過ぎたころには・・・」 なんて、春樹さんおっしゃるけど、『グレートギャッツビー』の翻訳が心から待たれます。
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