■2003年05月01日(木)
― 銃と死と ―
●久々に一人で映画観て来たよ。今日観た作品は、会社のトモダチOちゃんやその他の同職業の方々が圧倒的に「イイよ、コレ!」と言う「ボウリング・フォー・コロンバイン」。クチコミ好きの私は、ヒトの勧めにヨワイのよね。 ボウリングの映画ではないよ、アメリカの銃による殺害事件や社会問題などを記録した映画。監督は、今、戦争をめぐってナニかと物議をかもしているらしいマイケル・ムーアというヒト。 アメリカ…。だだっ広くていっぱいの人がいる「あの国」のことなんて、ハッキリ言ってなんの興味も理解もなかった。でもこの映画で、アメリカの“病み”と“闇”がどんなものなのかを、初めてちゃんと見たような気がしたよ。 たぶん。あの国の銃を持つ人にとって、銃とは「安心感を得るための“お守り”」みたいなもの。けっして武器とは思っていない。でもその安心感を実感しなくてはならない時が来たら、もちろん引き金をひく。まるでお守りの効力を確かめるかのようにね。 私ね、一度銃を撃ったことがあるの。タイで、観光客目当てのガンシューティングだよ。耳当てをしても鼓膜の奥にまで大きく響く銃声。両手でしっかりと銃を持っていても、撃てばそのあまりの衝撃に、両手だけじゃなく上半身も吹っ飛んでしまいそう。あの経験をしたヒトになら、よっぽどのバカでもない限りわかるよね、アレが生命あるものを殺すに十分すぎる「道具」だってこと。 正直言って「ボウリング・フォー・コロンバイン」を、ナゼいい映画だとみんなが評するのか、私にはよくわからなかったよ。でも「『知りたくないこと・見たくないこと・楽しくもなんともなくて、考えただけで悲惨なキモチになること』から目を背けるのもどうなのかな?」っていう私の中での「問題提起」にはなったみたい。 ●実は今日は悲しい出来事が…。上司のTさんが急死された。つい数週間前まではとても元気で、中華料理のランチなぞバリバリと食べていたのに、4月半ばあたりから会社に来なくなって、あっという間に亡くなってしまった。あまりに突然すぎて、何もコトバが出なくて…。 常にあきらめずに問題に向かって取り組んでいた前向きなTさんは、仕事をやっていくうえでのモノゴトの考え方が私と似ている部分が多く、なにかと気の合う上司だったし、たぶん現在の会社で一番お世話になった方だったの。 そんなTさんだから仕事に妥協はしないし、いつも遅くまで残業してた。やっぱり過労が彼の寿命を縮めちゃったのかな。 昼前にTさんの訃報を聞いて、それからしばらくトイレから出てこられなかったよ。会社で女性が思いっきり泣けるところって、トイレ以外にないよね? その後も仕事が全然手につかなかったから、本当は映画なんて行くどころじゃなかった。でもどうせ残業して仕事してても、思い出すのはTさんのことばかりで悲しくて。かと言って帰宅してもたぶんメソメソしちゃいそうで。もういいや!ってカンジで映画館へ行っちゃった。 でも、ショックな気分が少し落ち着いてきた。さっきBFも電話くれて私の話、聞いてくれて。 お別れの時、ちゃんと、しっかりと、Tさんのこと見送らなきゃね。
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