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「 副調色 」
2004年07月15日(木)




 貴方の前では、「いい女でいよう」と思っていたのに。
 何で今日のデートで「生理現象」のことを口にしてしまったんでしょう。

 最近、私のやりたい事が揺らいで来ている。前はあんなにも確固としていて、付き合っていた彼氏でも触ることすら出来なかった私のやりたい事。それが本当に私の中心に座っているとは感じられなくなってきました。貴方に軽蔑されるのが恐くて、恐くてしょうがない。今まで見たことがないけれど、どうしたら軽蔑された目で見られないか、というのを基準に物事を考えてしまいます。ますます自分のしたいことが分からなくなっていく。貴方は「自分のやりたい事を優先してね。多少会えなくなってもしょうがないし、やりたい事をやっている方が格好良いから、ずっと好きでいられると思う」と言ってくれました。最初は、そのお手軽な言葉が気に入ったのに、今はもう逆説に聞こえる程、私の心を締め付けます。私は貴方に軽蔑されないこと、そのことが心の中心に来ていて、だからこそ軽蔑されそうだ、と感じてしまう。貴方に寄り添うほど、やりたい事が揺らいでしまうからです。

 それだけじゃなくて、なんで今日はポロリと「生理現象」を言ってしまったのだろう。ああ、恥ずかしい。
 今日だけリセットしたい。
 今日のデートは無かった事にしたい、本当に。

 
 そんな自分の我儘(わがまま)な思いは貴方に伝わってしまうんでしょうか。
 そんな自分の心の貧しさは貴方に伝わってしまうんでしょうか。
 貴方のゆったりとした暖かい心は、私を射抜いてしまうんでしょうか。

 右往左往させられるから憎たらしくて、それだから大好きで、益々貴方に寄り添っていたくて。ずーっと寄り添っていられれば、とばっかり考えてしまう。もうどうしたら良いのか分からない。だから、貴方の側を祈って寝る事にしますね。今日は本当にごめんなさい。次にデート出来るのを楽しみにしています。おやすみなさい。


注記:昔の題は「貴方の前で(女性形)」。「副調色」は全体の25%を占める色を指す。

執筆者:藤崎 道雪


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