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「 粛々と轟々と 」
2004年11月02日(火)



 ああ、俺は記憶力が良いし賢いよ。
 ああ、俺は体力はあるしスポーツが出来るよ。
 ああその通り、瞬時に長所と短所と価値を見極めるよ。
 
 だからって何だってんだ。だからこの地上の人間と比較してどうしよってんだ。そんなの自らの虚栄を満足させるだけじゃないか。
 だからって何だってんだ。だからあの天上の星達と比較してどうしよってんだ。そんなの自らの生の儚さを自覚するだけじゃないか。

 ふいっと一瞬で消え去るこの人類。ふっと一劫(いちごう)で流れるようなこの生。
 私は生きている。
 人類が巨大な竜のように勝手に蠢(うごめ)き、私には如何ともし難い。
 同時に4つある。
 私の気持ちは肉体の効用で左右され過ぎる、決心や決意や約束は破らないにしても。
 いくら禁欲的に送っても、5つ同時にある。
 
 過去より多くの他者より人類生存が、私を産み出したのは解っているのだろう。粛々と突き進めよ。
 くだらなく迷い無く不幸なく、死という大海に流れていけるのだから。
 過去より多くの他者より人類生存が、私を産み出したのは解っているのだろう。轟々と突き進めよ。
 聖性に至高に加速度に、個人や「私」という煌きが沸き出でるのだから。

 何と細々と、何と僅々(きんきん)と、何と性に動かされ、何と理情聖しかない。
 私。
 「私」。
 立ち止まる。
 星達をみる。
 私は其処にはいない。其処にはいけない。其処には届かない。其処には。

執筆者:藤崎 道雪

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