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「 駄菓子のような 」
2004年12月24日(金)



 あのゴチャゴチャと喧(やかま)しく喋りかけてくる母性本能のオバタリアンに
 そのグチャッグチャと意地汚くあらゆる権力に執着する闘争本能のエバリンボに
 老いも生活苦も死の恐怖すらも、そして何より生きているだけで余ってしまう何かを消費させていけるのなら

 家族愛という真っ当な美化で地位を確立する
 社会的献身という美しき正当性で場所を作り出す
 人類平和という究極の曖昧性で存在を昇華しようとする
 欲だけではない こだわりだけではない 空だけではない
 
 嘆くのがいいさ 嘆くのがいい 嘆く方がいい 嘆くのはもういい
 嘆いている、というだけで母性本能は同情し、闘争本能は軽蔑し、消費癖は新しさを探そうとする
 愛は与えられそうになり、献身は対象の発見を喜び、平和ボケは介入と無視を繰り返す
 愛と不愛などの根本的二元論が、それとも現象の持つ日常性が、あるいは現状を浅はかに捉える知的でない態度が、結局は形骸化する形式そのものの放置が

 あのゴチャゴチャと喧(やかま)しく喋りかけてくる母性本能のオバタリアンに
 そのグチャッグチャと意地汚くあらゆる権力に執着する闘争本能のエバリンボに
 老いも生活苦も死の恐怖すらも、そして何より生きているだけで余ってしまう何かを消費させていけるのなら

 愛があるよ。地位が与えられるよ。平和な時代じゃないか。好みの宗教に入信出来るじゃないか
 本能に従えば楽だろう。難しく考えるなよ。好きで愛すれば楽だろう。飯も食えなくなっちまうぞ。所詮種のために死ぬ、いち個体なんだぞ
 永遠だ そこが永遠だ そこに永遠が それは永遠が

追記:原題は「愛と不愛と永遠」でした

執筆者:藤崎 道雪

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