Dance日記帳
モクジキノウヨクジツ


2005年09月09日(金) 見られつも雲の上

「見られつも雲の上」長唄 汐汲 より
  空を仰いでも、月は雲の上にあると、雲上人の行平を思うて、果敢ない恋を歎いているのである。(花柳流舞踊譜本)

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週に一度の修練の日。
自分に此処までストイックな部分があったのかと不思議に思う。
此れ程迄に稽古に集中するのは何年ぶりなのだろうか。
舞台があるわけでもない。
単純に、「踊りたい」という欲望のみが満たされる稽古。

稽古場に入り、両手をつき正座で挨拶した瞬間から、雑多なことは全て忘れ、踊ることだけに集中する。

洋舞は「動」、日舞は「静」と言われることは、そのものを稽古したことがない人も耳にしたことがあるだろう。

ターンやジャンプや激しいステップなどで表現するジャズとは違い、身体を沈め、最少限の動きに思いを込めるのが日舞だ。
三味線の音と唄を身体の奥底で受け止め、ひとつひとつの動きに注いでゆく。何とも繊細、かつ忍耐力のいる舞踊だろう。

MDSの発表会に出演する人のなかには「覚えが悪い」「動きが鈍い」などと、悩む人もいる様子だが、私の稽古の姿を見たら、そんな不安などなくなってしまうだろう。
それくらいに師匠に怒鳴られ、手や腰を掴まれているのだから。
「どっちの足なんだいっ?」「いったい何処を見ているんだい?」と次々と叱られる。その度に自信のない私はオロオロするのだ。

こうして、日舞で扱かれる立場だからこそ、MDSのみんなの不安なキモチは手に取るようにわかる。
まだまだ学ぶところは山ほどあるのだ。

明日から怒涛の週末突入。
少しでも体力温存のため身体を休めることにする。


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