Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
自分ができないことは、ひとに「やりなさい」とは言えない。 自分がやりたくないことは、ひとに「やりなさい」とは言えない。 自分がわからないことを、ひとに「理解しろ」なんて言えない。
結局のところ、今の自分の行いは、その程度のこと。
ひとに注意され、指導され、流されるがままに進むことは安易だ。 自由であり、此処に、自分の力で立ち、そして、先に自らの歩みを進めることの困難さよ。 更には、其所に自分以外の存在があり、其れを導くことは、言葉になし難き厳しさがある。
黙って、手を差し伸べることは容易い。 しかし、溺れかけるものを、黙って眺めることは、辛いものだ。 心の底で「頼むから沈んでしまうまえに手足を使って泳いでくれ」と反芻するだけだ。 動く手足も備わって、その動かし方も説明してあるのだから。 あとは、自分から動きだすのを待つだけのこと。 其れを只管に待つことは、気の遠くなる、そして、弱気になるものだ。 心を鬼にするとは此のようなことを言うのだ。
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