Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
新しい作品をリリースする時は、もの凄い不安に駆られる。
善いものをと心をこめて振り付けたつもりだが、踊り手の皆さんの気持ちにそわないものになっているのではないか。 自己満足で終わっているのではないか。
何時だって、中途半端な自分が此処にいる。 自分の感性で「善い」と思い、其れを皆様に伝えようとするのだが、同じ自分の中で「其れは傲慢」という声も聞こえたりする。 何時だって、新しいものをひとに見せる時は迷う。躊躇する。 心の底で受け入れて欲しいと懇願しながら。
さて、今日(昨日)は新しい作品のリリース。 レッスン中にうまく踊り方や表現の仕方を説明しきれない部分があったりして、苛立つが、矢張り長年私のもとで踊ってきているメンバーは説明不足であったとしても私の云わんとする部分を察知して踊ってくれるので驚きながらも嬉しく思う。 余計な説明を求めるよりも、楽曲を素直に聴き、振りをすんなりと受け入れ、イメージ通りに動いてくれる。 多分、其所にあるだろう、所謂私の「スタイル」というものが彼女たちの中にも設立されているのだろう。 うっかり説明しそびれた部分についても、素早くキャッチしてくれているので頼もしいとさえ思える。
しかし、矢張り気になるのは評判だ。 何時もとは違ったイメージの振付けに戸惑うだろうし、拒絶反応もあるだろう。果たして、今回の作品は皆さんにどう受け入れられたのか不安でならない。
自宅に戻ると何通かのメールが届いていた。 其所には「今回の作品、好きです」というものがあって、心底仕合わせを感じることができた。 メールで新しい振付けについての感想を聞かせてくださった皆さん、本当にありがとう。いつでも不安に思い、路頭に迷う、そんな部分を支えてくれるのはメンバーの皆さんの励ましや、些細な一言。
心をこめて振りを作って、本当に善かったと思うのだ。
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