また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)
DiaryINDEX
|past
|will
2004年02月11日(水) |
【ほん】 中国帝王図(講談社文庫) |
この本、うちの本棚を整理していたら出てきたもの。どこからうちの所有になったのか不明。うちの本棚には、日本に帰国して行く際に人が置いていった本がいっぱいあるが、自分で買った覚えが無いので多分これもその内のひとつ。可能性が高いのは3年前にフラットシェアしていたフラットメイトのクロベエ。彼が遠くロシアに旅立つ際に数多くの書籍をいただいた。その書籍群は「クロベエ記念文庫」として今もロンドンの日本人に潤いを与え続けている。
【紀伊国屋BOOK WEBより】
中国帝王図 (講談社文庫) ISBN:4062645025 217p 15cm(A6) 講談社 (1998-12-15出版)
・田中 芳樹・井上 祐美子・狩野 あざみ・赤坂 好美【文】 ・皇 名月【画・文】 [文庫 判] NDC分類:288.492 販売価:\495(税別) 中国の始祖・黄帝から最後の皇帝・宣統帝(溥儀)まで、歴史に燦然と輝く帝王たち。その勇姿を描くのは華麗な中国王朝物で人気の漫画家・皇名月。 そして壮大な中国歴史小説を得意とする人気作家・田中芳樹をはじめ、井上祐美子、狩野あざみ、赤坂好美、皇名月が覇者の歓喜と悲壮を記す。愛蔵版歴史絵巻。
黄帝 禹 夏の桀王・殷の湯王 殷の紂王 周の武王 周の幽王 斉の桓公 宋の襄公 晋の文公 呉王闔閭・越王勾践〔ほか〕
【俺の感想】
うーん。なんというのだろう。まず、これってどういう人が読むのでしょう?? インターネット上にイラストのホームページとかを持っている、歴史好きな人たちは好きそう。個人的にはこの本の挿し絵があまりこのみではないし、みんな同じ顔に見えてしまうので、本来この本の売りであるはずの「挿し絵」は何も訴えてこない。それはちと残念。
おれは学校の授業で司馬遷の「史記」や「春秋左氏伝」そして「孟子」などをやっているので、禹(う)・尭(ぎょう)・舜(しゅん)から始まり、暴君として知られる殷(いん)の紂王(ちゅうおう)、それを討って殷を滅ぼし周をたてた武王など、この本にはなじみの深い王たちが登場する。春秋左伝に出て来る放浪の公子、後の晋の文公こと重耳(ちょうじ)の話や「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」で知られる呉王闔閭(こうりょ)と越王勾践(こうせん)の話も紹介されている。ただどうなのだろう、背景を軽く知っている人向けというべきか。それともイラスト好きな人向けというべきか。中国の歴史を全然知らない人が読むには専門的な用語が多く、背景の説明がなさ過ぎるし、背景を良く知っている人は読んでも内容があまりに簡潔すぎるので物足りなく感じるだろう。広く浅くという感じ。多分イラストがなければ成り立たない企画ではないかと思う。
田中芳樹という人どこかで聞いたことあるなぁと思って、銀河英雄伝説の人かなと思っていたらやっぱりそうだった。なんかこの人の書くものを読むと、俺はいつも「何も感じない」ということになってしまう。なぜなのかはわからないが、横山光輝のマンガの方がまだ入ってくるという感じ。で、この本は共著ではあるが、やはり全体的にそういう雰囲気が漂っていて、個人的にはどうしても表層的な感じがするといわざるを得ない。俺とは違った想像力を持ち、違ったリアリティーを持った人はまた異なる読み方が出来るのだろうなぁと思った。
|