また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)
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2004年02月12日(木) |
Xデー・牛丼が消えた日(笑 |
俺は毎日ロンドンで、インターネットを通してTBSのニュース番組を見ているが、昨日今日と久しぶりに爆笑したニュースがあった。それは牛丼報道だ。牛丼好きが多いのはともかくとして、ニュースキャスターまでもが「本当に一大事でした」とか言い出してびっくり。
とくにサラリーマン諸兄が役者も顔負けという感じで、痛切な思いを語るのにはどうしても笑が込み上げてくる。日本のサラリーマン諸氏はこんなにもかわいらしかったとは。報道陣が詰めかけている東京のとある牛丼屋では牛丼を食べる最後の客となる人にカメラがくぎ付け。こんな状態で落ち着いて食べられるわけがない。俺だったら食べずに帰ってしまうかもしれない。もしかしてこの人、最初から出ることになっていたのではないかと思えるほどに愛想が良く「やっぱり無くなるのは寂しいですね」などと言う。
海外から客観的に見ると今回の牛丼騒動は何かが変。It's so funnyな感じだ。もちろんTBSのnews-iしか見ていないので、この局が偏っているだけなのかもしれないけれども、とくにこのニュースがイラクの報道のすぐ後に来ると、初の海外派兵に対する不安を無理に牛丼フィーバーで乗り切ろうという感じで、そのアンバランスが絶妙でおかしい。
地方ではどういう風になっているのか知らないが、なんかこれは都会的な現象じゃないかなという気がする。もしかしたら多くのテレビネットワークの本社が集まる東京的な現象かもしれない、という気がした。現象というよりはマスコミがあおっている一種のお祭りという感じか。
ロンドンからしてみれば、ロンドンに一件でも吉野家があってくれればどんなにいいか、、、というかんじで、東京の牛丼Xデーのフィーバーぶりをにやにやと眺めている。同時にカメラアングルをずっと引いて見れば、海外派兵、それに引き続く強行な牛肉輸入停止措置も、日本が「独立国家」になるための一連の試金石なのかななどと思う。マスコミ報道とは裏腹に、現在、実際に日本を取り巻く国際的政治環境が激動期を迎えていることに思いをはせ、新しい国の船出に対する期待と今までのタブーを破る罪悪感が交錯し複雑な思いがする。
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