また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)

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2004年03月15日(月) 【ほん】養老孟司「バカの壁」





【紀伊国屋BOOK WEBより】

「バカの壁」
・養老 孟司【著】
新潮新書 204p 18cm
新潮社 (2003-04-10出版)
[新書 判] NDC分類:914.6 販売価:\680(税別)
ISBN:4106100037

イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。

第1章 「バカの壁」とは何か
第2章 脳の中の係数
第3章 「個性を伸ばせ」という欺瞞
第4章 万物流転、情報不変
第5章 無意識・身体・共同体
第6章 バカの脳
第7章 教育の怪しさ
第8章 一元論を超えて

【この本をお薦めします!〜紀伊國屋書店京橋店・総務担当】
 タイトルのわりに内容が固くて読みにくそう?「バカの壁」をつくらず是非読んでみて下さい。自分がいかに知ってるつもりで生きてきたかわかります。


【感想】

 うーん、養老さんの問題意識みたいなものが、自分のそれとかぶさるようなかぶさらないような、、、、微妙な感じ。前の日記にもちょっと書いたがこの本の中の「個性」に関する記述はいい刺激を受けた。まぁ、養老さんのはなし口というのは、「古武術の発見」での甲野善紀さんとの話を見ても、かみ合っているようないないような感じなので、あまり深く考えないことにしよう。

 ただ、気になるのは、この本がなんと形容していいのかわからないが「インテリ諸君」(?)に大人気ということなのだろうか。この本の帯には大きく「朝日、毎日、読売各紙で大絶賛」と書かれている。誰がどういう理由でこの本を絶賛しているのかよくわからないが、どうも本屋でこの本を手に取ったときからこの帯が気になっていた。すると、びっくりしたことに紀伊国屋書店のBOOK WEBで検索したときに、上記のような異例の「京橋店・総務担当の推薦文」がくっついていた。どうも一つの「傾向」が浮かび上がってくるように思える。


 皆さん、そんなに

「世の中のことをわかったつもりで生きてきた」のですか? 

俺にはその方がよほどびっくりで、新しい発見です。


 しかし、言われてみれば、なるほどそうなのかもしれないなという記憶に多く思い当たる。日本に帰ってから将来のことを考えても、「世の中のことをわかったような気がしている人たちが多くいる」という視点を持っておくことは、役に立つことかなと思う。遠い世界のことではなく、日本にいても目の前に広がるだろう異世界。そこにこそ「バカの壁」が立ちはだかることを実感するのだろう。それこそがこの本から学びえたことだったような気がする。

 こうやって今日もバカの壁を再構築していく。「バカの壁が悪い」のではない、バカの壁はどうしてもできるのだから頻繁に作り替えればいいのではないか。実は俺、最後までこの人が言う「バカの壁」という言葉にどうしても慣れなかった(笑)。 


倉田三平 |MAILHomePage

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