また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)

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2004年03月20日(土) ロンドンで盲腸の手術をする(1)

 (この記述は3月23日(火)にしています)

 春の珍事。火曜日のよる九時ごろ、水曜提出のレポートを仕上げ、遅い夕食をとる。食べ始めると不思議なことにほとんど食欲が無い。下腹部がちょっと痛い。変だなーと思いつつも、食事にラップをして冷蔵庫に入れる。

 よる12時過ぎ、またもや腹痛。どうせ「下痢だろう」と高をくくる。深夜3時、あまりの腹痛に飛び起きる。こんなひどい痛みは滅多に感じない。しかも、いつもの下痢の時の痛みとはどこかが違う。下腹部がこれだけしくしくと痛んでいるのに便意が全く無いのはおかしい。誰が言ったわけでは無いが、無意識に盲腸の可能性を疑い出す。あまりの痛みに居ても立ってもいられず、パニクる。しかし、近年救急医療のお粗末さがよく報道されているイギリスで救急車を呼ぶという勇気は当然ない(笑)。仕方がないのでインターネットで情報を得ることに。

 「下腹部から右下にかけての痛み」「食欲不振」「悪寒・震え」「なぜか晴れた日に発病しやすい(笑)」などなど。うーん、昨日の春のような陽気といい、クレジットカードが地下鉄の自動販売機に吸い込まれたりと、これはどうも盲腸くさいなぁ(笑)。

 しかし、ここは日本ではない。夜中3時、日本では家族に頼んで救急病院にいくだろう。「ゆりかごから墓場まで」という言葉があるが、第二次大戦後世界に誇った社会福祉、日本が模範にさえしたというイギリスの国民健康保険制度(NHS=Natinal Health Services)は近年イギリス本国では見る影も無い。救急で運ばれてきた心臓病の患者が、2日以上放置された末に死に至ったというようなショッキングなニュースは、渡英以来たびたび耳にしている。つまり、


 救急車を呼んで、盲腸で死ぬのはいやだ!!


 仕方がないので、朝になるまでこの強烈な痛みを少しでも和らげよう。ときどき激痛に耐える強烈な叫び声を発しつつも、インターネットで腹痛、盲腸炎に有効な「ツボ」を探すことに。

 あった、あった。だけど、なんか強烈。

 
 盲腸に有効なツボ
 「気海・腎兪・太谿」《沢田流聞書鍼灸眞髄》

 「猛烈なる痛みを頓挫せしむるには気海1穴に30壮〜50壮すえる。
 それで痛みが即座に止む。」


 うーんかなり怪しい。30壮というのは、たぶん針を刺すことをいっているのだろう。いかに怪しかろうとも、困ったときはやはり東洋医学に頼るのがいちばん。ハリは出来ないが、日本から「せんねん灸」と「カマヤミニ」を持ってきているのでこのツボにお灸をすることに。(つづく)


倉田三平 |MAILHomePage

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