2002年05月19日(日) |
KOKAMI@network「幽霊はここにいる」 |
安倍公房原作、鴻上尚史演出「幽霊はここにいる」を観てきました。 安倍公房の小説は早瀬も大学時代に結構好きだったので、何冊か持っています。 が。 鴻上氏の芝居としては、「まあまあ」という感じでした。池乃めだか師匠は上手いし、演出は相変わらずスタイリッシュで好みだし、気弱そうだけど曲者っぽさもちらつく深川啓介と、いい声の××さん(ネタバレなので伏せます)がいい感じではありましたが、台詞回しがいつもの鴻上芝居に比べてテンポが遅く、先が読めてしまうところと、オチが甘いところがネックです。今回早瀬が声を掛けて初めて鴻上氏の芝居を観た友人には、この場を借りて「ゴメン」と言いたいと思います(笑) ここ、読んでるらしいので(笑) 「鴻上氏の本領は、オリジナル作品で観て下さいね」と。 もっと全体にキレがいいんです、彼は。 「安倍公房より、あなたの方が面白い芝居書いてますよ」と鴻上さんに言ってあげようかな(笑) いい作品は時代を超える。当たり前だけど、そのとおりだと思います。この作品が鴻上氏の演出で「新しさ」を持ってはいても、どこか「古い」感じがするのは、別に戦争の話が出てくるからではないと思います。(個人的には、「戦争にたとえられるハードな状況」が「今でも普通にある」とは思いません。それは何か、別のものです。) 言ってみれば、世界に対する認識の古さ。 「それは幻想だって? そんなこと知っているさ。だからどうだっていうんだ?」 もう誰も、幽霊ぐらいでは驚きはしない。 もっともっと大きな詐欺がこの世界には働いていて、それを覆すことはできない。 何故なら、もはやそれは事実だから。 誰もがそう知っている、そんな時代の向こう側へ行くには、どうしたらいいのでしょう。
・・・テキトーなこと言ってるな我ながら(笑)
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