カンラン 覧|←過|未→ |
ぽっかりあいた空白のひととき。 初めて入った本屋さんでふと手に取った本のはなし。 『これからはあるくのだ』 角田 光代著 本屋さんでどの辺りとはなくぱらぱらと捲って 「うむ。」と購入に踏み切ったのだが・・・ 突如、忌野清志郎のうたではじまったのには 思わず帰宅途中の列車のシートからお尻を浮かせてしまいそうになった。 だって忌野聴いたことないし。 あのー、TVで何度か見たことある程度のなんとも言えない・・・ 私の部屋のどこにもその5文字の住処はない感じのお方。 立ち読みして得た著者の雰囲気とも あんまりがしこんこないような。 まぁまぁそれはいいとして。 この本、楽しませてもらいました。 『エンピツ』なんかで知らない誰かの日記を ひょいっと読ませてもらった時のようなのどごし。 しかもおもしろくて、 どっか私と似てる、と思わせてくれるような気配が漂っています。 そしてこれはきっと、 あるいは私だけじゃなくて、 結構みんなにそんな風に感じさせる著者の懐の大きさがあるんじゃないかなぁ。 彼女ならではのたくさんたくさんのエピソードが詰まっているんだけど、 「私はこういう人間です!」なんて重たいだけ迷惑な印象を 読者に背負わせるおしつけがましさは一切なしです。 かつては「本を読む。本を読む・・・。」と ものすごい勢いアンド鼻息で いかに集中して短時間に読破するかにかけていた私ですが (↑いや、そんなでもなかったな。タイムラグをつくりたくなっただけか。)、 いまはめっきりちんたらちんたらしています。 まさに、 気分がのったら読むしー 気分がのらなきゃ読まないしー てな状態なんですが、 こんな人にはかえってとってもいいかも。 読もうとすればほんといっときに読める本を つまみぐいするようにすくいあげ、 かつ何度でも読み返す。 そんなしあわせな一冊。ひととき。 トイレとかに置いとくのもたまらなくグゥな使い方でしょう。 そうそう。 はみだしですが、 この本を買った駅前の本屋さん、 なかなかやります。 お会計してくれたのは確か若い女の子だったんだけども。 紙のブック・カバー、 ものすごいきっちりはめてくれてたの。 あの細い差込4カ所すべて。 今日読み終わって気づいたのですが(←遅っ。)、 感動しました。 あれ、読んでる最中、 何かの拍子にぽんっと放り出したときに うわっとだらしなくはずれるのがすんごい嫌いなんですよ、私。 自分はだらしない系ですが、 妙なところに神経質なの。 とにもかくにも本本体も含め、 今日の私の一番嬉しかったこと。 こんなん書くと、すんげぇちっちゃい休日過ごしてんなぁ・・・私。 まいっか。
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