においというのはなかなかやっかいだ普段香りを纏った人と接する機会がそうそうないためばったり出会うと鼻が過剰反応を示す懐かしくもほろ苦くほんの少しだけ 甘い役立たずの眼をおいて伸ばす両の手あのとき自分から離したこの両の手でつかめるはずもない名前など知りもしないこの香りのしっぽ