カンラン
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念願かなって、岡山にある夢二郷土美術館へ。 ことあるごとに「行きたい美術館があるんだけど」とさりげなくアピールし続けた甲斐あって、ようやく実現。(最後にはポストカード集を持ち出して「こんなの、こんなの。グッド・デザインでしょー?」とガン推しした) おかげさまでほくほくと満喫させてもらいました。
のっぺりとしたおとめの絵がらにほろり酔いしれ、こころにふつふつと静かな気泡がうまれる。 こういうのを心躍る、って言うんだろうなあ。
絵葉書(5枚組)、手ぬぐい、絵葉書入りフレーム、ボールペンをおみやげに購入。(もちろん自分への)
分館や生家にも少し心動いたが、車で40分ほどかかる場所にあるというので、そこは断念。
すぐそばの後楽園を散策。 あしもとに落ちている淡い色合いの花びらを見つけ、上を見上げると、狂い咲きのさくら。春に似た過ごしよい気候になってきているということか。 その場で、たまたま声をかけていただいたボランティアガイドの方としばし立ち話。 特に予定も立てていなかった我々は、すすめられるままに一路倉敷へ。
倉敷へは二、三度訪れたことがあるが、その都度違う表情を見せてくれる。日本とアジア、欧米が混ざり合っているのに不思議と浮かれておらず、なぜか折り目正しくぴしっと落ち着いた感すら漂う街。 きょろきょろと路地をのぞいてみたり、あたりをぶらぶらと流すだけで十分楽しめる。
ぴのきのために、と向かったのは桃太郎からくり博物館。 ぴのきを楽しませる目的で訪れたこの場所がわが家に衝撃を与えることになろうとは。 まず、周辺のみやげもの屋と変わらない博物館らしからぬ店(?)構えにつちのこ氏が軽く後ずさり。「・・・やめとく?」と目で訴える彼を見てみぬふりして入館したところ、チケット売り場の中でにかにかと満面の笑みをたたえてものすごい細やかに手を振るザ・たっち似の人物に凍る。 ぎょっとしてしまったことを悟られまいと毅然とした態度でチケット購入。(したつもり)
たっち館長(たぶんおそらく館員ではないはず)直々の案内で館内のアトラクション(?)をまわる。が、たっち館長は多忙のため(他にお客さんが来た)途中で煙のようにその姿を消し、野放しとなった我々は筆舌に尽くしがたい思いで館内を徘徊した。
最後に、2階から降りてきた我々を待ち構えていたたっち館長。 何かが始まることを予感させるひらりとした身のこなしに一瞬とまどいつつも、そちらの方へ進むと、いきなりちくわ笛をぴよーっと大音量で演奏。桃太郎にドラえもんのヒットパレード。しかも踊りつき。 す、すごい。呆然と立ち尽くす我々。あっけにとられるぴのき(弱冠1歳6ヶ月)。
すべてがふっ飛んだ瞬間。 その流れでたっち館長に手厚く見送られて博物館を出たあと、路上にてしばし放心。桃太郎というより、「注文の多い料理店」から飛び出たのに近いような状態で立ち尽くす。
今日は一体何しに岡山入りしたんだっけ。あれほど熱望していた夢二もなかなか呼び戻せない始末。 とにかく、ただただ強烈。
これから何かつらいことがあったらあそこに戻ろう。 なんかそんな風に思ったよ。
追記:たっち館長は、実はテレビに出てたりなかなかの有名人らしい。
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