カンラン
覧|←過|未→ |
昼。 きなこもちを食べていたところ、突如強烈な思い出し笑いに襲われあやうく悶死しかける。
以前、JAYWALKというグループのボーカルの人がアーミーナイフを不法に所持していたために逮捕されたというニュースをテレビでやっていたのだが、その際、アナウンサーがそのボーカルの人のことを何度も「中村メンバー」と呼んでいた。 多分、敬称をつけると悪いことをした印象が薄れてしまうし、かと言って呼び捨てにするものちょっと・・・ということなんだろう。 しかし、メンバーって。 なんとなく報道サイドの苦悩も見てとれる感じがまたおかしい。
もしもピンで歌をうたっている人が逮捕されたらどういう言い回しになるのか考え込む。 ○○シンガー? ○○ボーカル?(でもそれなら中村メンバーも中村ボーカルとなるはず) ○○アーティスト? どんどん広がりをみせるが、こういうのはやっぱりカタカナ語で曖昧にさせておくに限るな。
隣でもちを欲しがるぴのきにもちを小さくちぎってやりながら、「ああ、君とこの笑いの渦に一緒に飲まれてしまえたら、どんなにか幸せだろう」と思わずにはいられない。
私は昔から思い出し笑いがとても多いのだ。それを分かち合える人の不在がやるせない。
テレビつながりで。 昨日、近所の弱小スーパー(店長ほか従業員が「いらっしゃいませ」とか言わない。昼のお客が多い時間に平気で大規模な売り場の配置換えをしたりする。通路は客ではなく、従業員優先。その他もろもろ)に買い物に出かけたら、とある女性が視界に飛び込んできた。
「ああ、あの人、知ってる。誰だっけ?」と買い物そっちのけでぐるぐるぐるぐる売り場を回り続け、1周するかしないかのあたりで思い出す。
広島でアナウンサー(もう退職されたらしいが)をされている山原玲子さん。夕方のローカル番組で絵てがみを披露されたり、多才な人だ。
にしても、私の記憶というものはわが家とおんなじで片付けがなっていないなあとため息が出る。ぱっと見、片付いているんだけど、とりあえずしまい込んだにすぎない状態で、何がどこに入っているのか後から探すのが困難だ。 そんなわけで、山原さんも近所のおばさん他多数がしまい込まれているのとおんなじ記憶の引き出しから出てきた。失礼。
「お尋ねします。たまごはどこにありますか?」と卵売り場の目の前でスーパー店員に尋ね、「あら」と頬を赤らめる山原さんの声はとてもきれいでしっかりとしていた。
|