カンラン
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学校や職場に通うような生活をしていなくてもこの時期はどうにもこうにも慌しい。 日記を書けずにいた間なんだかんだといろいろあったのだが、整理できていない。
弟の帰省にあわせてしばらく実家に入り浸っていたのだけれど、その間にぴのきが受傷。まさかの顔面アゲイン。鼻と唇の間のところがさっくり切れていて血の気が引いた。前回のほっぺたの傷のこともあったので、速やかに病院を受診した。(速やかに、と書いてはみたけれどどんな色眼鏡で見ても私はあきらかに取り乱していた)
結局、3針ほど縫った。 「ままー、ままー!」と泣きわめくぴのきを施術台に押さえつけて「ここにいるから大丈夫だよ」と必死に励ますも、肝心な私が涙と鼻水の大洪水。なんとも恥ずかしい姿だったろう・・・と思う。
それからはほぼ毎日病院通い。 一週間後に抜歯して、幸いにも痕もほとんど気にならない程度になった。 パチンコ玉か何かが埋まってるのかというほど腫れあがっていた上唇が嘘のように元通りのかわいいかたちに戻っている。
それにしてもなぜいつも顔面なのだ、この子は。
そばについていてもそういう瞬間はあまりにもいきなりおとずれるので、間に合わないのだよ。 若かりし頃から運動が大嫌いで体育と聞くだけで後ずさりしていた私。そんな恐怖から逃れた三十路にして、己の緩慢さをふたたび呪うことになろうとは。
そして、今日。
ほっぺたの方の傷の件で形成外科を受診する。 2時間以上待って、なんともさくっとした診察を受けた。
ほぼ予想していた通りの結果だったのだけど、帰りの駅で涙が出てきた。 そんな私の目の前でぴのきは病院の先生からもらったシールをペタペタと自分の顔に貼りまくってみせた。本当はかえって涙が出たのだけど、すぐそばにいたおばあさん(か、おばさん)がぴのきを見て笑いだしたので、私もうつむいたまま笑った。 傷はシールで隠れるぐらいの大きさではあるのだけどね。
家に帰って思いっきり泣いた。 だから、もうこのことではめそめそしない。
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