カンラン
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2009年05月14日(木) |
床屋帰りのぐりとぐら |
ふたたび昼寝中の日記。
最近、なかなか昼寝体勢に入らぬぴのき。ぴのきが横になるのを本を読みつつ気長に待つ。が、こちらが読み終わっても一向に気にすることなくミニカーで遊んでいる。
痺れをきらした私が寝たふりをする。 しばらくしてミニカーを片付ける音が聞こえはじめ、横にずりずりと侵入してくる気配。 「いっしょにほんよむんでしょー」と軽くぐずっても私が反応しないことを確認すると、ひとりで本を読み始める。(私は薄目を開けて観察する)
隣で仰向けになってカー雑誌を胸の上に置き、なにやら神妙な顔で読んでいるぴのき。(ほんの少しのひらがなしか読めないので、眺めている、が正解) 何がそれほどまでに彼をひきつけているのか気になり、薄目をやや薄目にシフトチェンジして見てみると、「このタイヤが冬を変えていく」というタイヤメーカーの宣伝。この子はどこへむかうのかと少し心配になる。 そして思わずこみあげた笑いを、げほげほと言ってごまかしておく。
次に開いたのは、「SUPER GT スペシャルレポート 勝利への疾走2008」。・・・GTって何?前出のタイヤのページより目が熱くなっている。どこへ?何を? そして、ふとキャンギャル(って言うの?)とかに目を奪われているのだったらそれは嫌だな、と思う。
なんかすごい大人だ。 つちのこ氏とさえもこんな大人な昼下がり的昼寝はしたことがない。 (つちのこ氏は寝転がるとすぐ眠る)
その後、雑誌はばさっと床に落ち、3歳児のぴのきは電池が切れたように眠りについた。
午前中は、庭の日陰で床屋をオープンした。 クリーニング店のビニールに顔を出すための穴を開け、ぴのきにかぶせる。くりんくりんの髪をざくざくと無計画に切り上げた。乾けばどうせ思いもよらぬ方向にはねるのだ。 (ちなみに前回は、前髪がありえないほどに揃ってしまった。まるでかつら。濡れてた間はそうでもなかったのに、乾いた途端に。あれはあれで奇跡ヘアだった。)
すっきりした。 庭には、風に転がる赤茶色の毛玉。 前回のことを踏まえて、近々すきバサミを買おうと言っていたつちのこ氏に心の中で謝っておく。私は衝動の人なのだ。
軽くなった頭で勢いづいたぴのきとそのまま遊ぶ。 本当は少し離れたところにある大きな公園に連れて行ってやろうと思っていたのに、今日はふたりともおうちモードだ。 なわとびでへびをしていたら、知らないうちに傍らで時計草の花が開いていた。蔓が絡んで最後の花弁が開かず、ぴのきとふたりで助け舟を出してやると、ぱちんと開いた。はじけるようにして。
軒下に腰掛けておしゃべりをした。 そののどかさに、私は中学とか高校とか、そのあたりの時間をもてあましていた頃のことを思い出す。いつもは暴れたりぐずったりはちゃめちゃなぴのきとも少しずつこういう時間が増えていくのか。 あまり期待しすぎないように、でも期待する。
お昼が近づいて、パンケーキを焼く。 ぐりとぐらみたいだねえ、などと言いつつ、材料をまぜてフライパンで静かに焼く。 私がミルククリーム、バターとメイプルシロップの2種類を食べる間、ぴのきはひたすらアイスクリーム添えを楽しんでいた。子どもって何て一途なんだろう。
満ち足りたお腹を抱えてタイヤやらGTやらの夢でも見ているのだろうか。 切り残しの髪が風に揺れている。
<読書記録> ・「I LOVE YOU」 読了
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