カンラン
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三連休、らしい。 いつもどおりの連休であると信じて疑わないまま突入。つちのこ氏より、真ん中の日(日曜日)は友人と釣りに行く旨告げられて、はじめて「はっ」とする。まあ、「はっ」としたところで、何かいいことをするわけでもないが。
午前中、内科を受診。 近所にこんな病院があったのかと静かに胸を高鳴らせる。
私は、先生が若かったり、派手な宣伝や営業活動をやってるような新しい感じの病院が苦手である。そして、これはきっと生まれ育った環境にあると思う。 戦後まもなく開業した祖父の仕事場も、その子である父の仕事場も、消毒のにおいが漂い機械音が響くこざっぱりとした空間だった。 小さな頃は母も医院の手伝いをしていたため、受付の中が私の遊び場であった。高いカウンターの内側でしずかに絵を描いたり、手の空いた従業員のお姉さんに話し相手になってもらったりして時を過ごした。(幼稚園に入るまで友だちがいなかったのには、こんな背景があったかららしい)
今日受診した内科は、そんな私を少しばかり切なくさせるような場所だった。 待合の茶色に変色した張り紙の手書きの文字や、陳列ケースの中の色あせた食事のサンプル(おそらく糖尿病の患者さんに好ましいとされる食事例なんだけど、これはなんとなく動物園を彷彿とさせた。ゴリラの食事とかの展示みたい)なんかをきょろきょろと眺めた。いろいろ観察するのにもっと時間がほしいなあと思ったほど。
診察室は先生の勉強部屋といった感じ。机の上は多分、先生以外の人が触ることはなく書類が山積み。そこだけ見たら、小説家とかそんな職業の人の卓上のよう。
先生が直接患者さんの名前を呼び、招き入れる。 私が横になる前に、ベッドの糸くずをささっとさりげなく取り除いてくださった。 (カルテだけじゃなく、まわりが見えていてその上自ら気配りのできる先生というのは意外に少ないように思う。)
うがい薬やらシロップ、4日分の薬の入った袋を持って、ひさしぶりの晴天の下を歩いた。 4日で治るだろうか。治らないだろうか。治らずまた受診するのも悪くないなあと思ってみたり。 いや、治ったほうがいいな。 もうかれこれ2週間ほどげほげほしているのだから。
実は現在、実家でちょっとした問題が起きている。 それは父の仕事に関することで、両親は心配をかけないよう私には黙っていたようだが、街を歩いていてばったり出くわしたおじから話を聞き、私が電話をかけたのは先週のこと。
私のように新しもの好きではない人間もいる。
どうかこの局面を切り抜けられますように。私にはそんな風にお願いすることしかできない。歯がゆい。
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