カンラン
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やわらかな空気を感じたので、顔をあげた。私を追い抜いていった若い男の人の手には手書きの手紙。 どんなことが書いてあるのだろう、まあるくて穏やかな内容だったらいいなと思いながら、その人の後姿を見送った。
相変わらずのんびりとしたペースでお手紙ライフを送っている。旧友や実際にお会いしたことのない文通相手と、送ったり送られたりを繰り返す。
少し前から葉書もちょくちょく書くようになった。今まで便箋にてんこ盛りに綴っていたことばときもちを削って削って、一葉にのせる。 潔くて、好きだ。
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