カンラン
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2011年11月15日(火) こびとのひと

物事には知りどき、というものがある。不思議に思っていたこと、気になっていたことに関しての真実や理由やときには正解が、ふぁさっと目の前に舞い降りる瞬間がある。これはごほうびだな、と思う。





こちらの幼稚園に転入してはじめて、絵本の読み聞かせを担当する。もともとは読み聞かせグループというのがあって、その人たちが毎回行っていたのだけど、年々メンバーが減っていって、ついには保護者でぐるぐるまわすようになったという経緯があるらしい。

何をどうしたらいいのか勝手が全くわからないので、我が家の愛読絵本『みんなのこびと』を持っていき、全園児の前で声を震わせつつ読む。よその子に読むなんてはじめてなのに、いきなりハードルが高い。

いつも読んでもらっている類の絵本とは一線を画しているからか、開始早々変な歓声が上がる。女の子は、こわい、と言い、男の子は、おもしろい、と言う。女の子でも、男兄弟がいる子は好印象だったりもする。そのあたり、さくっと分かれるところ。
しばらくは、こびとのひと、と呼ばれるであろう。
ひとまず終わってほっとする。

幼稚園が終わってから、ぴのきの友だちのおうちにぞろぞろと向かう。うちよりも海に近いところにあって窓からは大きな橋が見えて、そしてどことなく結婚当初に住んでいた山の上の家を思い出させる感じのおうちだった。

そういえば、徳島に来てから懐かしさに触れることが多々ある。ものだったり、人だったり、景色だったり。
完全アウェーなのだが。


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