カンラン
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英会話教室にぴのきを送り届ける。
晴れているし、明るいしで、本来なら絶対的に自転車で行くところをあえて車で行ってみた。いつかは必ず訪れるであろう悪天候の日に備えて、気持ちに余裕のある状態で一度、と思い立ったのだ。
きつめの西日差す中、行って帰ってきたものの、課題あり。大いにあり。 往路最後の交差点はT字路で、左折する。で、復路になると、このT字路を右折で戻ることになるのだが、信号がない。カーブミラーもない。こわい。
なんせ私はその気になるのが難しい人なので、今回のこれは貴重な体験実習であり、頑張って右折でスムーズに家に帰りたかった。 なのに、結局、臆病風に吹かれてウィンカーを左に出し、わざわざ少し離れた場所にある100円ショップまで行ってくるりと方向を変えて家路についた。おれはチキンだー。 あの風に吹かれたとき、後続車はいなかったのだし、気のすむまでタイミングをはかればよかったのではないか。なぜ、焦る、私よ。悶々。
しかも、よくよく考えると、普通にどこかの店に入って出る場合となんら変わりはないのでは。店の向かいにいちいちカーブミラーってないよね、多分。そんなことしたら街中ミラーだらけになっちゃう。 あー、でも私、そういうシチュエーションでお店に入ったこと、ない。私が車で行けるのって、大型ショッピングセンターみたいなところばかりだもの。ちゃんと信号がある。
信号とミラーがないことにすっかり動揺してしまった夕暮れであった。 次も絶対やるな。同じこと。
帰り道に聴いたラジオでこんな不穏なことが話題になっていた。 「スナイパーの条件って、まず銃が嫌いであること、らしいです」 あたまの中で転がしてみて、なるほどと納得する。
ドライバーの条件って、まず車(もしくは運転)が嫌いであること、だったりしないだろうか。
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