みやにっき
詩人を名乗ることにした。

2004年07月12日(月) しりとり 1

しりとり→りんご



もさもさになったりんごはそんなに好きでない。
どうせなら皮はうんと赤い方がいい。
布できゅっきゅこ表皮を磨く。
赤いりんごはよく光る。
その昔,たぶん買ったのだろう,家に箱いっぱいの紅玉があった。
きゅっきゅこ磨いて食べた。
歯に皮はさまんのな。
今は前歯に虫歯があって染みるので,緊張するので丸かじりする気にならないのだけんども。
切り分けるよりも丸かじりが好きだが,作業としてりんごの皮むきは大好きだ。
くるくると長く長く向いて,いなかっぺいごっこをする。
恋人はりんごのくにの出身だ。
もうふるさとは離れてしまったのだけれども,何年もりんごを贈ってくれていた。
量が来るので,悪くしてしまう前にもっぱら煮て食べていた。
レモン果汁を落としてくつくつしたのが好き。
なんだか悪い体調に対して,優しい作業をしているような気持ちになる。
一番つらいときにはすりおろしりんごだ。
りんごじゅーすでもいいの。
いっとうしんどい時にある果物だったから,高いって知らなかった。
ひとりになったらりんごが買えないのよおかーちゃん。





りんご



わたしボールがほしかったの
二階からなげてもしなない
ボールがほしかったの

浅い呼吸をしている きみは
自転車に乗る夢をみたのだと言う
起きてから水を飲んだので
どこに置いたのかわからなくなった

果物の引換券は 期限が切れてしまった

猫をかっていたこともあったよ
くつしたをはいたような つまさきのしろい

食卓の上に
きみがこぼしたパンくずが散らばっている
昨日の朝からずっと
それから鉛筆と ボールペンと 消しゴムと
牛乳の輪のついたカップと

いきているみたいね
それはまるで
いきているみたいだね

裏紙に書くのは 縞のある いつも

きみが髪をとかしているので
もうずっととかしているので

さきおととしの春までは 
二階のない家に住んでいた と
告白のように 手を握っている


 <なんだっけ?  まとめて  そんでどう?>


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