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2003年06月30日(月) 目の使い方…

「目は心の窓」と言いますが、心=頭の働き…という事でもあるように思います。
レッスン中の生徒さんを観察していても、どれくらい集中しているか、音からだけでなく、目の動きからも察する事ができます。
集中力がないお子さんは、ピアノを弾いていてもキョロキョロしているし、集中していると、目は、必要な動き以外はしなくなるのは、少し長くピアノを教えていらっしゃる方なら、自然と気付いていらっしゃる事ではないか…と思います。。
で、指導の中には、この“目の使い方”を教える…というのも、含まれているように思います。

例えば、音符を読めるようになり、指番号が分っても、両手でなかなか弾けない生徒さんを観察していると、視線が、固まってしまっている事が分ります。
こういう状態を長く放っておけばおくほど、両手で弾く事が大変に思えてきてしまうので、できる限り、視線が固まる前に、両手での目の使い方に慣れておく必要があるように思います。

この件については、以前、巨大掲示板で困っている方にアドヴァイスした所、
「そんな事、今まで聞いたこともありません」
…と言い放たれました。(書き放たれた…と言うべきか?)
ご自分の勉強や観察の範囲の狭さを棚に上げて、生徒さんに苦労を押し付けるような方を説得する気もなかったので、そのままにしておきましたが、そういった方でも、ご自身は熱心な指導者のつもりだったりするのだ…と知って、複雑な気持ちになりました…。

関係ない話は、これくらいにして、本題に戻ります。

目の使い方には、主に二つの面があるような気がします。
一つは、読譜の際の目の使い方。
もう一つは、鍵盤を見る、目の使い方。
これらは、両立できない場合もあるので、その場合、暗譜やブラインドタッチが必要になってきます。

具体的な細々とした事というのは、文章だけではお伝えできないのが残念ですが、できない生徒さんというのは、間違いなく、視線が上手く使えていません。
きっと、ピアノを練習する…という事の中には、そういった事の習得も含まれていて、練習をきちんとこなす生徒さんなら、大して問題にならない事も多いような気がします。
でも、ちょっとの躓きで、ピアノを弾く事が楽しくなくなってしまうのは残念な事ですし、そういう指導が、長い目で見て、『どんな生徒さんにもピアノを楽しんでもらえるように』という事にもつながっていくような気もするのです。

また、上手くいかない時に、その原因を分析的に考える習慣は、長い目で見て、上達のための一助にもなる筈です。
そういった角度から指導していく事で、きっと、指導者も学習者も、多くのものを得られるはずです。

念のために付け加えると、指導者がこのような事を考えるのは当然の事ですが、その前提として、生徒さんが指導を熱心に受け入れる事があります。
時々、私の文章を読んで、師事されている先生への不満がつのってしまわれる学習者や、保護者の方がいらっしゃるようですが、その場合、熱心な生徒であったか…というのを、もう一度振りかえってみてください。
師事されている先生への不信感は、全ての指導を台無しにしてしまいますので…。


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