森岡万貴 徒然記 (黒いブログ)
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2002年04月27日(土) |
平安幻想・・・そして置き去りに。 |
鳳凰堂を囲む池に架かった、朱色の半月形の橋を、そろそろと鈴を鳴らしながら渡る。 陽は完全に落ちて、照明の明かりに小さな羽虫たちが遊んでいる。 足下を照らしてくれるテレビ局の照明ライトでさえ、妖艶に光を放ってなんとも幻想的。
寒さは昨日よりマシだった、、、と言うか、メンバー全員、昨日の寒さに懲りて、パッツンパッツンになるまで衣装の下に着込んだので、その効果であると考えられますが。
お陰で、完全にタイムトリップしてしまいました。 月はいっそう輝いて、池のさざ波の上でゆらゆら揺れて。 ここで平安貴族たちが愛を語らっていたのかしらん、と、気分はすっかり源氏物語。
日本の美です。静かで、凛として。
本番が終わった後、どうしても池の向こうから、ライトアップされた鳳凰堂全体を見てみたくて、もう閉めますよ〜という警備員さんに、「3分で戻りますからっ!」と無理にお願いして、対岸にまわると、、、
鳳凰堂の扉が開いていて、中の巨大な阿弥陀如来坐像が金色に輝いているのが見えました。その周りには、52体の雲中供養菩薩像が懸けならべられているのですが、そのうちの幾つかも垣間見ることが出来ました。 そして鏡池には、鳳凰堂全体が上下逆に、すっかりそのままコピーされて、言葉に出来ない程、荘厳な佇まいでした。
とても残念だったのは、向かって右の翼廊の向こうに、高層マンションが建っていて、鳳凰堂全体の景観に被ってしまうのです。それさえ無ければ、無駄なものは何も無いのに。こういうのを防止する策は無いのでしょうか?センスないなぁ。
ちょうどその時、誰もいない平等院で、思いがけずライトアップの全プログラムがダイジェストで始まったんです。 聞くと、保存収録用の撮影とのこと。 な、、なんてラッキーなんだ!真正面で、この芸術を独り占め出来るなんて!!ねばって良かった!
静まりかえった夜の平等院に、次々と照らし出される色彩の妙。 美しすぎて、開いた口がふさがりませんでした。
これぞまさに、棚からぼた餅状態。一番良いポジションで、全プログラムを独り占め。なんて幸せなんだ、あたしゃぁ。
3分で戻るなんて言ったくせに、30分は余裕で経過。神々しい世界遺産に圧倒されて、すっかりこの世のものでは無くなった森岡万貴。
ふとこの世に戻ってくると、、、 ゲッ、みんな、既に帰っちゃって、いなくなってる!!さっきまでその辺に見えていた人影は、跡形も無く、、、。
お、、、置いて行かれたのでございますね。いとをかし。
いーもんねー、一生忘れないもの見ちゃったんだもんねー。
と、開き直っていると、通りがかりの某テレビ局の機材車に拾われ、無事ホテルに届けられましたとさ。
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