酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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孝ちゃんが、人間になりました! 本当にここまで泣かせてくれるとは思いも寄らなかった。酔わされて2002にまたもや変動ありです。今回は本当に本当によかった・・・。 仲蔵親分オーナーの奥湯元あじさいホテルに孝ちゃんが行くと必ず事件が起きてしまいます。今回は脇に出てくるゲストがみんなよかったっ!!! 子供の頃母親に捨てられておとなになれないまま作家になった孝ちゃん。その孝ちゃんのために仲蔵親分はホテルをぽんっと買っていたのですね。癌じゃないかと大騒ぎする仲蔵親分もあいかわらずキュートですv 素直な感情を出す術を知らない孝ちゃんが、富江さんから見せてもらった父親の恋文を読み、愛情表現を素直にしました。もうもう滂沱。あぁ、この本が広く世に受け入れられた訳がやっとハッキリしました。ただ単におもしろおかしいではなかったのねぇ。 安楽死や自殺など、生と死をもテーマに据えられています。これには参りましたね。旦那が末期癌の状態の時、26歳なんて若さだから痛みも尋常でなく、あの頃のことまざまざと思い出しちゃってなんだかもうただただ泣きながら読み終えました。 みんなに薦めてもらって読んだこの本、もしまだ未読の方がおられたら読んでくださいね。表面の軽薄さは仮面。ものすごく深くて濃い心豊かになる物語です。
『プリズンホテル冬』1995.9.30. 浅田次郎 徳間書店
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