酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2005年10月04日(火) 『沼地のある森を抜けて』 梨木香歩

 時子叔母が亡くなり、久美は家宝の「ぬか床」を引き継ぐ事になった。このぬか床は呻く・・・しかも卵ができてしまった!? 受け継いできたぬか床にこめられた呪縛。囚われて生きるのか、解放されるべく動くのか。

 なんだかショックでした。こういう物語を紡ぎだせる才と言うのは、いったいどこにあるのだろう。生きるということをしっかり見据えなければと思わされると言うか。飄々と描かれた怪異がひたひたと怖いんですよね。妙に迫力があり心にずっしり残りました。魂抜け気分だった。これはオススメv

 母はそんなこと、どうでもよかったんだろう。僕が、新しい命にたぶん、望むように。解き放たれてあれ、と。母の繰り返しでも、父の繰り返しでもない、先祖の誰でもない、まったく世界でただ一つの、存在なのだから、と。

『沼地のある森を抜けて』 2005.8.30. 梨木香歩 新潮社



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