酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年04月02日(日) |
『りはめより100倍恐ろしい』 木堂椎 |
羽柴典孝は中学時代《いじり》キャラだった。誰もに愛され親しまれているように見えるが、リクエストに答えてフザケ続ける辛さが身にしみていた。高校に入り、いじられる側からいじる側へ無事シフトできた典孝だったが、バスケット部の仲間に妙に絡まれ始める。これでは中学時代の二の舞になってしまうと慌てた典孝は友だちをスケープゴートに仕立てあげるのだが・・・
ライトタッチで描かれた現代の中学・高校生の姿が心に痛くほろ苦くありました。インパクトのあるタイトルの《り》は《いじり》の《り》で、《め》は《いじめ》の《め》なのですね。《いじめられる》より《いじられる》方がしんどいと言う意味は読んでいればよーくわかります。典孝の行為は赦せないこと、でもわからないでもなく・・・なのにキッチリラストに・・・と言うハッピーエンドではないところに作者のトテツモナイ厳しい目を見ました。高校生だからこそ書けたのかもしれませんね。さらりと読みやすいケレドモ心にずっしり残る物語なのでありました。 いじめなんかよりいじりのほうが全然怖いと思う。一文字違うだけだが、りはめより100倍恐ろしい。どちらも地獄なのだが、両者には決定的な差異がある。
『りはめより100倍恐ろしい』 2006.2.20. 木堂椎 角川書店
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