酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEXpastwill


2006年04月08日(土) 『愚考録』 貫井徳郎 

 一家四人惨殺・・・早稲田卒のエリートサラリーマンと美人妻、そしてふたりの子供が殺された。犯人は不明。ある人物が旦那と妻と交流のあった人たちにインタビューをし、その忌憚ない発言からふたりの人間が浮き彫りにされて行く・・・

 これね、ものすごーく怖いんです。なにが怖いかってまずはインタビュアーが怖い。事件に遭った被害者の人間関係にインタビューをする人物の意図が読めない。いったいなんのために聞いてまわっているのだろう?と疑問に感じてしまってすごく怖かったですね。そしてインタビューに答える人たちの深層心理が恐ろしいまでに怖いです。ここまで赤裸々に語れるものなのだろうか、と。こういうパターンの物語運びって今までにも読んだことはありますが、今まででぴか一にウマイと思いました。インタビュー形式でインタビューされている人物と被害者の人間性や表情がハッキリ浮き上がってくるから。だからこそ見えないインタビュアーの存在や真意が底知れず怖いんですよね・・・。現代のホラーかもしれないなぁ。参ったなぁ。

 人生って、どうしてこんなにうまくいかないんだろうね。人間は馬鹿だから、男も女もみんな馬鹿だから、愚かなことばっかりして生きていくものなのかな。あたしも愚かだったてこと? 精一杯生きてきたけど、それも全部愚かなことなのかな。ねえお兄ちゃん、どう思う? 答えてよ。ねえ、お兄ちゃん。

『愚考録』 2006.3.30. 貫井徳郎 東京創元社 



酔子へろり |酔陽亭酔客BAR
enpitu