酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年05月12日(金) 『幸せのかたち』 松村比呂美

 紗江子は友人の香織と共同経営のリサイクルショップのことで衝突し、気まずい喧嘩別れをしていた。新しい仕事を探さなければ・・・と思う紗江子に声をかけてきた昔の同級生の美幸だった。美幸は転校を繰り返す地味でおとなしい少女だったのだが、今は堂々とした女っぷり。強引に美幸のマンションに誘われ、モデルルームのような整然とした部屋に通されて妙なものを見てしまう。それは紗江子そっくりの女性が浮かんで見えるクリスタルだった。偶然の再会と自分の顔が閉じ込められたようなクリスタル、そして紗江子はソノ日から・・・!?

 待ちに待った松村比呂美さんの新作しかも長編です! 前作の『女たちの殺意』は優れた短編集で女ゴコロの複雑さを堪能できましたケレドモ、今回は長編となり、またまたしっかりと女ゴコロの捩れや複雑さを楽しませていただけましたv トッテモ面白かったので思わず二度読みをして『女たちの殺意』も読み返したくらいです。物語には作者自身が投影されているものと思うのですが、比呂美さんの鋭い観察眼やオシャレな生活の断片を拝見できて興味深かったです。つくづく物語りに惚れると言うことはイコール作者に惚れると言うことなのだなぁと思います。ものすごく好きな作家さんって本当に素敵な方ばかり。まさしく文は人なり、ですね。だからどうしたって合わない文章の作家さんとはきっと現実でも駄目だろうなぁ。松村比呂美さんとはいつかどこかでお目にかかれたらいいなぁと思う魅力的な作家さんのおひとりです。しかし・・・物語を紡ぎ出す才能はやっぱり特別な人に与えられた文章の神様からの贈物なんだなぁ。うーん、憧れます。素敵だv 私の幸せのかたちってどんなカタチだろうなぁ。

 かたちの見えるものにとらわれて、もう少しで、今の幸せを見失うところだった。

『幸せのかたち』 2006.5.20. 松村比呂美 双葉文庫



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