酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年05月15日(月) |
『Op.ローズダスト(上)』 福井晴敏 |
ハムの脂身・並河(公安四課の余計物)は、テロ現場で七五三のような風情の男・丹原朋希と出会う。朋希は防衛庁非公開組織ダイス所属、今回のテロリストのリーダー入江一功とダイスで親友同士だった。朋希と一功がダイス時代に愛した少女がアル工作で死んでしまい、袂を分かっていた。ふたりの愛憎とも言うべき因縁と一功たちテロリストの仕掛けているテロ「スターダスト」に巻き込まれてしまう並河と並河の家族。朋希は一功を阻止できるのか・・・?
いやはや、ものすごい重厚なエンターテインメントです。どうにも登れない福井晴敏さんの上下巻モノに無謀にもレッツチャレンジ! なんと今回はキッチリ上巻を登りきれましたっ(満足)。これで何故だか今まで読むに進めなかった福井さんモノにも登れそうです(にっこり)v 私の頭と心がやっとついていけるようになったと言う感じなのでしょうねぇ。しみじみ(嬉) さて『Op.ローズダスト』はトテツモナイ物語であります。最初の過去と現在の入り乱れと登場人物を一生懸命頭で整理をしながら読みました。今回なんとかかんとかついていけたのは公安のはみだしモノ並河さんの存在ゆえですね。なんだか素敵な人なんですよ。過去に失敗も後悔もありつつ、今を自分を生きている。妻と娘を愛し、愛されている。そこで出会う朋希が並河ファミリーに癒されて人間らしさを取り戻すあたりホロリとしちゃう。王道なのですケレドモ(笑)。そして朋希と一功の因縁の確執にドキマギ。ふたりはどうなるんだろうなぁ。 福井さんモノを登れなかった原因のひとつにテロへの無知(私の知識としての)があると思います。テロについて知ろうとも考えようともしてこなかった。今回のコノ物語でかなりテロについて国について考えますね。今のままじゃ駄目だよニッポン侍魂を取り戻せナンテ思っちゃいました。娯楽でありながら考えさせられる力を持つってスゴイことだ。さぁ今から下巻に突入です。どうなってしまうのかなぁ。朋希は、一功は、並河は・・・。
「おまえがどんな過去を抱えているのかは知らん。だがなにがあったとしても、同情する気はないし、おれがされるつもりもない。誰にだって、辛い過去のひとつや二つはある。中には後悔なんて生やさしいもんじゃ済まない、一生苦しまなきゃなんない過去を抱えている奴だっているだろう。忘れちまえばいいとか。時が癒してくれるとか、そんなおためごかしはなんの役にも立ちゃしない。救われようってのが、どだい虫のよすぎる話だ。 だから背負っていくしかない。それがどんなものでも、背負って生きるのが人生だとおれは思う。もし赦される時があるとしたら、潰されないで歩ききった時だけだ。それは過去の中身がどうこうって話じゃない。そいつの足腰が強いか弱いかっていう、いまこの瞬間の話なんだ」
『Op.ローズダスト(上)』 2006.3.15. 福井晴敏 文藝春秋
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