酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年06月02日(金) 『無傷(むしょう)の愛』 岩井志麻子

 嫌いなのに気になる存在、それを「裏のアイドル」「マイナスのアイドル」にする女。アイドルを見つめ続け、的確に悪意を届ける。それが快感・・・

 岩井志麻子さんが描いた「ここだけの話」、それは立場が違えば顔がガラリと変わってしまう。言い分はそれぞれにあり。どちらが正しい訳でもない。しかしその顔にはくっきりと悪意が浮かんでいる・・・って感じの短編集です。一番怖いと感じたのは『偶像の部屋』でした。怖いって言うか解読不能ゆえに不気味でした。解読不能であるケレドモ、ありそうなのだもの。自分は心優しい善意の存在だと信じて疑わない女のうかつなまでの馬鹿さ愚かしさも悪意を撒き散らしていくし。人間の心の闇に潜むものはなかなか恐ろしいものだわ。

 ・・・・・・会社に、うかつな女がいる。悪気がないというのはわかっている。ただうかつなのだ。その女が、善意の顔でいったのだった。

『無傷(むしょう)の愛』 2006.5.25. 岩井志麻子 双葉社



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