酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年07月26日(水) 『ミカエルの騎士1 ヴィーナスの血星石』 前田栄

 大英帝国の片田舎にある小さな教会を守る美貌の牧師アーサー・ロイド。実はアーサーはららら科学の子。田舎牧師なら暇だから研究三昧で生活できるぞと言う父親の唆しに乗せられて牧師になったのだった。対するアーサーの悪友のマーティン・マクドナルドは医者でありながら神学マニア・・・と称して週末になるとアーサーをからかいに(?)やってくる。そんなアーサーからエクソシストの依頼が舞い込んだ。娘がヴァンパイアに狙われていると言う大英帝国屈指の貴族・ラベル子爵のために、この科学の時代に吸血鬼など存在するものか!と言う信念のアーサーは・・・!?

 美貌の牧師・アーサーは、本人に自覚はないもののミカエルの騎士なのであります。ミカエルの騎士は本気で信じていることを具現化してしまう化け物じみた奇跡を起こす存在。なのでアーサーがヴァンパイアなど存在しない!と言い切ってしまえば、その存在は消滅してしまうという訳なのであります。外面ばっかりよくってマーティンには本音で愚痴や文句ばかりのアーサー。面倒なアーサーの側にぺっとりひっついているマーティンは訳ありの存在・・・うふふ。
 サイド・ストーリーの「青玉の犠牲神」では、アーサーに撃退されてしまったヴァンパイア・レメーニの物語。こちらの方がゴシック・ホラーとしては秀逸。ヴァンパイアの悲哀がしっかりと描かれておりました。潔いほどにアーサーもマーティンも登場しません。こういう構成は物語に深みを与えてトテモ面白いと思います。一冊に収録されたいくつかのエピソードが呼応しあって理解が深まりました。使い捨てのキャラクターではないところに好感が持てますねv

『ミカエルの騎士1 ヴィーナスの血星石』 1997.4.10. 前田栄 新書館



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