酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年07月27日(木) 『ミカエルの騎士2 精霊王の月長石』 前田栄

 アーサーが溺愛する妹・メアリが出戻ってきた。彼女の夫・ジョージが従事牧師としてインドへ旅立ってしまったのだ。アーサーへの手紙には、メアリを託す旨と一つの依頼が記されていた。ジョージの友人が、一族の中で唯一の黒髪であるという事でケルト民話にある妖精の取替えっ子ではないかと疑われているらしい。アーサーのエクソシストとしての風評を逆利用して友人を苦境から救って欲しいとあった。愛する妹・メアリのため渋々立ち上がるアーサーだったが、実はメアリは・・・!?

 これまたトッテモ面白かったですねぇ。信じたことを具現化する力を持つミカエルの騎士・アーサー(※ただし、本人の自覚なし)は、超常現象など信じないららら科学の子。まずはこの矛盾した存在のアーサーが面白いのです。美しくて優しくて悪友マーティン以外には猫かぶりで(笑)魂の美しい存在。そのあまりにも美しい魂ゆえに悪魔も天使もアーサーから離れられない。超常現象を全く信じないアーサーの側にぴったんこと悪魔と天使がはべって取り合ってる構図がいとおかし。うまい設定だなぁと思います。と、言うことで悪魔のマーティンに対抗する天使の登場。チェンジリング(妖精の取替えっ子現象)は実際にありそうな気がするのですけどネェ。
 「戦女神の星紅玉」では、メアリの夫・ジョージがあっさり殺されてしまいます。一応たてまえとして錯乱してみせるメアリでありますが、その実これでまたアーサーの側にはべれるとにんまり(笑)。そしてジョージが残したモノがまたまたアーサーを波乱に巻き込んでしまいます。
 「聖母の毒薬」では、アーサーの美しい母が友人に妬まれ、おなかの子供に危険が迫る物語、アーサーの少年時代です。母の友人の女性はアーサーの母の幸福を妬むあまり、妊娠中の彼女に危害を加えようとします。それを敏感に感じ取った近所の子供達はソノ恐ろしい女を魔女と呼び始めます。アーサーは魔女など存在しない!と友達の子供達に高らかに言い放ち、その瞬間の光が悪魔・マーティンを呼び寄せ、母のおなかの子供は・・・。
 ミカエルの騎士シリーズのメインキャラクターの3人の出会いと関わりが描かれた一冊でした。マーティンについてはこの一冊でおおまかに掴めます。メアリはもう少し先に詳しく語られます。ミカエルの騎士の血をひく不思議な力を持ったアーサーと彼を守る天使と悪魔。天使も悪魔もそれぞれに思惑がありながら、アーサーに純粋に惹かれ、依存していく流れが見てとれました。主役のアーサーよりも脇キャラのマーティンとメアリの存在感がものすごく強くて魅力的ですv

『ミカエルの騎士2 精霊王の月長石』 1997.8.10. 前田栄 新書館



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